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July 2022 : インドのコーネルピン (Kornepine from India)
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インド産のコーネルピンとは初耳です。
Mindata で調べてみると、確かにインドのアッサム州、ウッタール・プラデシュ州、テランガーナ州、さらにアーンドラ・プラデシュ州とタミール・ナードゥ州のそれぞれ2か所の計7か所から産出すると、詳細な地図に掲載されています。
ただし、写真もないので、如何なる品質なのかは定かではありません。
さらに Gems & Gemology 誌の索引を調べてもインド産は言及されていません。
が、冒頭の写真のように濃い緑色ですが、これまでに入手した、スリランカ、タンザニア、ケニア産とは異なり、マダガスカル産を思わせる濃い色合いの、しかし青みを帯びているので、新しいインド産の特徴かと思わせる宝石質のコーネルピンです。
0.49ct 5.5x4.3x2.9㎜ | 0.65ct 5.9x4.2x3.1mm |
いずれも1カラット未満の小さなルースですが、確かに宝石質の、他地域産とは異なる色合いのコーネルピンではあります。
稀産の鉱物であり、宝石質のルースは滅多に1カラットを超えることのないコーネルピンの新しい産地が出現したと喜ぶべきでしょう。
近年、日本では稀産の宝石に異常な関心が集まり、ケニア産の緑や青の透明度の高い美しいコーネルピンにカラット当たり 10~20 万円の値がついていたりします。
確かにアメリカでも 400 ~ 600 ドルと決して安価な宝石ではありませんが、コーネルピンの稀少性を勘案すると、妥当な水準かと思います。
今回入手したインド産は幸いなことに全く妥当な水準でネット上に出ていたもので、今後、インド産のどのような品質のルースが出てくるのか楽しみです。