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有本利夫のポスター 1981
1854/1981 76x57cm |
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これは有本利夫 (1946 -
1985) が毎年銀座の弥生画廊で開催していた個展のために制作した石版画だ。 1981部と大量に摺られたのだろう、時々オークション市場に手ごろな値段で出品される。 1枚入手した後、居間で毎日楽しく眺めていたが、その後にオークションで1万円余りで出品されていたものが、 最後まで応札がなく結局これも落札し、寝室でも朝晩眺めている。 こちらは 1001/1981 若くして才能を認められながら40才にならずして夭折したため、残された作品は少なく、オリジナル作品を入手 する機会は少ないから、大量に摺られた石版画が存在するのは有り難い限り。 ただし、毎年開催された個展用にポスターが制作されていた筈だが、何故か見かけるのはこの年のみ。 1985年のポスターは作品集で見かけるが、実物はついぞオークションに姿を見せない。 ピエロ・デッラ・フランチェスコのフレスコ画を偲ばせるこの女性像は何とも魅力的な表情が好ましい。 |
有本利夫を知ったのは、これらCDのジャケットから。
デンオンの "Aliare " バロック音楽シリーズのジャケットに用いられていた代表的な作品を通じてだ。
このシリーズは1990年代以降、主にヨーロッパ各地で録音されたものが、この10年ほど廉価版で再版されたもの。
作品、演奏、録音と、いずれも高い水準のレコードが廃版とならずに何時でも入手できるのは嬉しいことだ。
気が付くと手元に10枚以上がたまっている。
後に分かったことだが、有本本人もリコーダーを演奏し、東京芸術大学在学中には、音楽専攻科の学生たちと合奏を楽しんだということだ。
このシリーズのジャケットには相応しい、如何にも静謐な音楽が聞こえてくるような作品だ。
有本利夫のテラコッタ作品
短い生涯の間、油絵、フレスコ、木彫、と多様な分野での制作を試みていた有本利夫の作品の中にテラコッタの小品が何点かある。
何とも抒情的な魅力に溢れる作品だが、いずれも一点制作ものだから、特別展でしか実物を見ることができない。