Monitor Audio Studio
5-II
販売年 | ユニット構成 | 寸法 | 重量 | 出力音圧レベル | 定価 |
1995年? | Al,Mg合金13㎝ウーファー 2.6㎝ドームツウィーター |
18x32x19cm | 5kgs | 88dB | ¥250,000 |
モニターオーディオというブランドは聞いたことがなかったが、2011年にネット・オークションでこのスピーカーを見たとき、これはただ物ではないと直感した。
九州の質屋が15,000円で出品していたものだが、ローズウッドの突板仕上げの上質なキャビネットに銀色のウーファーと金色のメタルドーム・ツィーターとの組み合わせは決して派手過ぎず、むしろこのスピーカーが最上の素材を組み合わせて念入りに仕上げたプロ用のモニター・スピーカーであることを一見して示すものだった。
思うに、これはかなりのオーディオ愛好家が長年使っていたものが、亡くなられた後、価値の分からない家族が、質屋に捨て値で処分したものの、価値の分からない質屋も困ってしまって、タダ同然でオークションに出品したものらしかった。
こういう事例は今後、我が身にも起こって来るものだ。
オークションでは1件だけ競争相手が入札していたが、20%値上げして応札したら、値が吊り上がることもなくそのまま落札できた。
このスピーカーの詳細なデータが手に入らないが、同じユニットを使ってほんの一回り寸法が小さい Studio-2 というモデルがペアで20万円なので、このスピーカーは25万円程度であろうと推測している。
この小さなスピーカーがどんな風に音楽を奏でるのかわくわくしたが、予想を遥かに超える性能に感嘆した。
手持ちの17機種のスピーカーの中で最も小型なのに、グランド・ピアノの深々とした音場が自然に空間に浮かび上がる再生能力に圧倒された。。
ピアノが良ければ、当然のことだが如何なるソースでも悪い筈がないのだ。
ヤマハの30㎝ウーファーを持つNS-690IIや、Studio-5とほぼ同じ値段で一回り大きく、評判の高いボレロと比べても全く遜色がない。
名前の通り、スタジオ・モニター用に作られたスピーカーなのだろう。
が、音楽を楽しむのであれば、これ1台で十分堪能できる。
小さいうえに、地味なサランネットをつければ(音楽を聴くときにはどんなに美しいユニットであれ、むき出しでは台無しだ)、さりげなく置いて、スピーカーの存在を気にすることなく極上の音で音楽を楽しむことができる。
不思議なことに、このスピーカーの何処にもモデル名の記載がない。
最初に段ボールの箱から取り出した時に、はらはらと剥がれ落ちたラベルに Studio5II とあったのだが、ノートの切れ端にタイプで打って糊で貼ったという風情のラベルであったからそのまま捨ててしまったほど。