宝石読本
ダイアモンド − 支配者の宝石 −
3. 紛争ダイアモンド − 資源の支配権を巡る争い −2001年2月15日、アングロ・アメリカンがデ・ビアス社を176億ドルで買収し、オッペンハイマー家がデ・ビアスの上場を廃止して、実質的に私有化することを決断したとの発表があった。
アングロ・アメリカン社とは1917年に南アフリカでアーネスト・オッペンハイマーが設立した金鉱山に端を発する。オッペンハイマーは1919年にはナミビア(当時は南西アフリカ)に発見された高品位のダイアモンド漂砂鉱床を手中に収め、コンソリデイテッド・ダイアモンド・マインズ社(CDM)を設立し、1926年、デ・ビアス社の役員となり、1930年には同社の社長となった。
その後は彼の子孫がデ・ビアス社の経営権を握り、既に数十年に渡って、実質的にはデ・ビアス社はオッペンハイマー一族の私企業であったと言える。
それを今更敢えて買収し、上場を廃止して私企業とするのは何故だろうか ?
その買収金額は、176億ドル(約二兆円)と、デ・ビアスとアングロアメリカングループの1年分の売上にも相当する莫大な金額である。
このグループは昨年10月にも,世界最大のダイアモンド鉱山,オーストラリアのアーガイル鉱山の38%を所有するアシュトン鉱業を、対抗するRTZとの熾烈な争いを経て447億円で買収し,また8月にもカナダのダイアモンド鉱山ウィンスピアーに対して敵対的なTOBをかけて、225億円で買収したばかりだ。
この2社の買収については,前回の”21世紀ダイアモンド市場の展望”にて説明した様に、21世紀のアジア市場での覇権を前提にした、怒涛のようなダイアモンド資源の開発と確保の動きを示すものだ。
が今回の言わば身内を敢えて買収すると言う、奇妙な行動の背後に何があるのだろうか ?
これには,近年国際的な話題となっている,いわゆる”紛争ダイアモンド”との関連を指摘すべきだろう。
1991年以来内戦が続くアフリカのシエラレオネにて、反政府派の武装勢力,革命統一戦線(RFU)が、支配下にあるダイアモンドの密輸で得た資金で武器を調達し、軍事的に優位に立っているため、密輸ダイアモンドの買い付けを止めて、武器調達への道を閉ざそうと言う議論がこの1年国際的に湧きあがっている。
このような議論になると、当然,世界のダイアモンド市場を支配するデ・ビアスの存在が指摘され、デ・ビアスはシエラレオネ政府の産地証明が無い限り原石を買わないと宣言している。
こうした議論は確かに正論には違いないが,しかし何故いまシエラレオネなのだろうという疑問が湧いてくる。
何故なら、一国の独立や覇権を巡る争いの資金源としてダイアモンド等の鉱物資源が主役となるのは,今に始まったことではなく、同じアフリカのアンゴラではもう30年近く、ポルトガル、,アメリカ,ロシア,キューバ,中国,南アフリカなど、それぞれに思惑を込めて介入する世界の国々の利害を反映する果てしない内戦が続いている。
そして軍事的な優位に立っているのは、北部の豊穣なダイアモンド鉱山地帯を支配するアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)である。 もちろんデ・ビアスは国際的な非難を浴びて、1998年6月にアンゴラでのダイアモンド買い付けを中止したと発表している。
デ・ビアス社の密輸ダイアモンド買い付け
こうして,ことある毎にデ・ビアス社が非難を浴びるのは、歴史的に,デ・ビアス社が直接ではなくとも,間接的に闇のダイアモンドを買いつけてきた事が公然の秘密であったからだ。
かつて同社が世界のダイアモンド市場をほぼ独占していた時代、”世界のダイアモンドの80%を支配する”と言われ,その数字が決して100%ではなかったが、その差の20%こそがいわゆる闇のダイアモンドであった。
恐らく20%の半数は,世界各地の鉱山での個々の、あるいは組織的な盗難や、盗掘であろう。 残りが,アンゴラなど内戦が続く国からの密輸であったと推定される。
これらの闇のダイアモンドの大半はアントワープに集まり、デ・ビアスの代理人を通じて買い上げられていたとされ、同社はそのために毎年3億〜5億ドルを費やしていたといわれる。
同社の年間の原石販売額は40億ドル程度であるから、買い付けの5億ドルは売値では10億ドル、即ち毎年の販売額の25%は闇のダイアモンドと言う計算になる。
莫大な量と金額であるが、それが莫大であればこそ、世界のダイアモンド市場の安定を再優先課題とするデ・ビアス社にとっては、無視することの出来ない事態であるのだ。
とりわけ、盗掘や盗難されるダイアモンドは、宝石質の大きな原石の比率が高い。 価値の低い工業用ダイアモンドなど盗む意味がないからだ。
宝石ダイアモンドで50%以上のシェアを持つデ・ビアスにとって、高品位の闇のダイアモンドを間接的であれ,自らのコントロール下に置かなければ、大量の闇のダイアモンドが市場に流出し、混乱が避けられない。
また、2千万カラットと言う大量の闇のダイアモンドを受け入れ、選別し、正規のダイアモンドとしてきちんと市場に流す機能を持っているのはデ・ビアス社のみであるから、ことさら非難したところで、他に解決策のないのが現実でもある。
まさにオッペンハイマーの言う”独占は全員の利益”なのだ。
闇のダイアモンドの実質的な買い付けを行っていたのは,デ・ビアス社の子会社、Diatrada社である。
同社はデ・ビアス社のPDD(研磨ダイアモンド部門)でもあり、またデ・ビアスが開催するサイトと呼ばれる,定期的なダイアモンド販売に参加できる,現在世界で125社あるサイトホルダーと呼ばれる会員でもある。 もちろん子会社と言っても,他と同じ条件である。 このサイトでの買いつけと平行して、アントワープでのオープン市場(即ち闇市場も含む)での買い付けも行い、それを研磨に回している。 単独の研磨業者としては年商1.2〜1.5億ドルと、世界最大の研磨業者とされている。
こうして、市場で買い上げられた闇のダイアモンドは,美しいルースとなって市場に流れるわけである。
デ・ビアスが内部にサイトホルダーを持つのは、ダイアモンドの実際の市場での価格や流通を把握する必要があるからだ。 年間1億カラットもの膨大な原石を年10回だけのサイトできっちりと捌かねばならない。 如何に市場を支配していると言っても、需要とかけ離れた価格設定で大量の売れ残りが出るような事態を未然に防がねばならない。
シエラレオネとアンゴラのダイアモンド
さて、話題となっているシエラレオネとアンゴラのダイアモンドであるが、この二つの国のダイアモンドはいずれも生産量は世界でそれぞれ10位と7位でそれほど高くはないが、漂砂鉱床で採掘が容易であり、ダイアモンドの品位が極めて高い。
そのため伝統的に非合法な採掘と密輸が横行し、生産地の支配権を巡って、政府軍と反政府勢力との間で長期の内戦が続いているが、いずれも反政府勢力がダイアモンド生産地を支配し,その豊富な資金力で武器の調達を容易に行い、優位にある。
したがって,欧米を中心に、内戦を終結に向かわせるには,武器を買う資金調達の手段であるダイアモンドの密輸を止める,即ちこれらの国からの闇ダイアモンドを買わないという主張が沸き起こっているのである。
左の原石からカットされたルース 盗掘の取り締まり Star of Sierra Leone 968.9ct D-IF カラー 53.96ct
シエラレオネでのダイアモンド発見は1930年。
また1948年にはキンバーライト鉱筒も発見されたが生産の全ては漂砂鉱床から。
発見以来1994年までの総生産量は5400万カラット。
原石の60%が宝石質、100トン当たり100カラットと高品位で原石の単価もカラット当たり 270ドルと高い。
漂砂鉱床で採掘が容易なこと,さらに高品位の原石の産出とで,伝統的にアフリカ最大の密輸国である。
昔からアフリカのダイアモンド密輸拠点の隣国のリベリア人、ユダヤ人,レバノン人などのブローカーが闇ダイアモンドの取引を公然と行っていた。
1991年からは政府軍と反政府勢力との間でダイアモンド産地の支配権を巡る内戦が勃発し、現在国際的な議論を呼んでいる。
内戦の為に正確な生産量は定かではないが、大体年間40万カラットがほぼ全て密輸されている。アンゴラのダイアモンド
アンゴラでのダイアモンド発見は1912年、1952年にはパイプも発見されたが、
生産の大半は 漂砂鉱床。
品位が高く、漂砂鉱床から採掘される原石の70〜90%が宝石質。
また2カラット以上の石が多く、平均単価はカラット当たり187ドルと高い。
Luo鉱床のように産出する原石の3分の1が1カラット以上で,カラット当たりの
平均単価 が791ドル という驚異的な産地もある。
主要な産地は北部のLunda Norte 地方で、この地を反政府勢力のUNITAが
支配している。
発見以来1994年までの総生産量は6600万カラットと推定されている。
毎年の生産量は正確な数字ではないが100万〜270万カラットと不安定。
70〜80%が密輸されている。
写真は漂砂鉱床での非合法な採掘の模様。
コンゴ民主共和国(旧ザイール)のダイアモンド
熱帯雨林地帯のダイアモンド漂砂鉱床シエラレオネとアンゴラに次いで,最近ではコンゴ共和国のダイアモンド密輸が国際的な問題として注目を浴びるようになって来た。
コンゴでダイアモンドが発見されたのは1903年。その後10年余の間に Tshikapa、Mbuji-Mayi, Kundelung 高地等に相次ぐ漂砂鉱床が発見され、1960年代には年間生産量が2000万カラットと、数量では世界最大のダイアモンド生産国となった。 ただし、コンゴのダイアモンドは95%がボートと呼ばれる黒い団塊状の原石で鉱業用途の品質で平均価格もカラット当り14〜18ドルと低い。 しかしながら世界でも稀に見る豊穣な漂砂鉱床からは土砂100トン当り500カラットと高い品位でダイアモンドが採れるのが特徴。
さて、コンゴはダイアモンド以外にも銅、コバルト,タンタル等、豊富な資源が偏在する土地でその資源を巡り20世紀を通して絶え間無い戦争の渦中にあった。ベルギーの植民地支配から独立した1960年、直ちにコンゴ動乱が勃発したが、その本質は独立後もコンゴの資源を支配するベルギーとアメリカを中心とする国連軍との間の資源の支配権の奪回戦争であった。 現在のイラク戦争と同じ構図である。 1961年から1967までの混乱に乗じて北に隣接する中央アフリカ共和国と西の旧フランス領コンゴとがダイアモンド生産の大半を収奪していた事は公然の事実。ダイアモンドを産出しない旧フランス領コンゴから1967年には600万カラットものダイアモンドが輸出されていた。
1965年にモブツ政権が出来て以来30年余り独裁政権が続き、国名も1971年にザイール共和国となったが、1991年に首都キンシャサで反政府暴動が勃発し、ルワンダ,ウガンダとブルンジに後押しされたカビラADFL(コンゴ・ザイール解放民主勢力同盟)議長との間に内戦が勃発し、カビラ派が1997年に首都を制圧してコンゴ民主共和国となった。 しかしカビラ大統領は権力を握るや否や、ルワンダとウガンダに背を向けたため、今度は旧ザイール軍勢力と手を結んだ両国との内戦状態になり、2001年に殺害された。現在はその息子が大統領となっている。
新たな内戦を勝ち抜くためにカビラ大統領は周辺の国々に資源を餌に援助を求め、これが新たな混乱を招いた。 ナミビアはTshikapaのダイアモンド採掘権を得てアメリカ資本の企業と鉱山の運営を始めた。ジンバブエは独裁者ムガベ大統領が空軍を含む1万人の軍隊を派遣しムガベ政権を支えているが,その代償にコンゴの最も豊かなTsibweとSenga Senga鉱床の採掘権を無償で手に入れ、配下の企業が採掘を行っている。 ジンバブウェは永年国の経済を支えてきた白人入植者達を追放し農園を奪ったものの、維持する能力が無いため経済は破綻し、コンゴのダイアモンドからの収入で辛うじて権力を維持している有様。 またアンゴラもコンゴ川河口の国境越えに飛地となっているカビンガの製油基地を守るためにカビラ政権を応援している。 一方反政府軍に回ったウガンダとルワンダはコンゴ東部のダイアモンド生産地帯に居座り、着々とダイアモンドを収奪し,いずれも1998年以来、相当量のダイアモンドを輸出し始めている。
こうして,コンゴは、周辺国の権力者たちがその利権を奪い合う修羅場と化している。そしてここでも豊穣なダイアモンド資源が争いの焦点となっている。
ダイアモンドの原産地証明
この2ヶ国からのダイアモンドを締め出すために、デ・ビアスに対して暗黙の圧力がかかり、デ・ビアス側も、原産地証明がないものは買わないと確約しているが,これは茶番と言うものだ。
まず、ダイアモンドを産地別に識別する方法は無いというのが専門家の立場である。
ルビーやサファイア,エメラルド等の宝石は原石を一見しただけで産地は,場合によっては鉱山までも特定できる。 しかしダイアモンドはいずれも地下130〜600kmのマントル上部と言う極めて均一の条件で炭素が結晶した、言わば単純極まりない鉱物で、何処の産地であろうと複雑な化学組成や生成条件を持つ他の鉱物程の多様性が無い。
もちろんナノグラム単位の不純物の特徴などを、膨大な時間をかけて調べれば、技術的には識別が可能であろう。
しかし、両国合わせて年間2〜300万カラット,数では1000万個にもなる原石を一つ一つ詳細に調べることなど不可能と言うものだ。
原産地証明にしても、30年間も内戦と密輸とが横行している国の発行する証明書にどれほどの信憑性があるか?
アフリカでの植民地支配が長い欧米の国々は知り抜いている筈だ。
また、密輸は、これらの周辺の国から直接に,あるいはさらにタイ等の第3国を経由して行われているので、その間に原石に如何なる証明書もつけられることは明らかだ。
即ち、これらの国からの密輸を止めることは不可能と言うものだ。
もともと、アンゴラの内戦は、宗主国のポルトガルの植民地支配時代からの出来事で、その後の利権を巡り、ベルギー,ソ連,その代理国のキューバ,さらに中国,南アフリカ,アメリカと世界の国々が介入した経緯があり、単なる政府軍と反政府勢力との内戦ではなく、三つ巴,五つ巴の様相となっている。
しかもこれらの勢力に武器を売っているのは誰か ? イギリス製の爆薬、フランス製の戦車、ロシア製や中国製の自動小銃,アメリカ製のミサイル、中国製の対人地雷、旧東欧製の小銃弾等々,世界の兵器産業の掃き溜めの様相を見せているのが,現在のアフリカの実体ではないのか ?
第一、歴史を振り返れば、こうした国々の資源を狙って植民地とし、簒奪と暴虐の限りを尽くしたのは一体誰だったのか ?
最近でも、国連軍の名の下にイラクへ攻め込み、それまでイギリスとフランスとが握っていた中東の石油の支配権を奪ったのは誰か ?
またソマリアやエチオピアのような資源を持たない国では,何が起ころうと放置しているのは何故か ?
デ・ビアスのウルトラC
と、デ・ビアスがいくら主張しても,内戦に間接的に荷担しているとの正論の前には、却って反論すればするほど不利になる。
現在はジンバブエだが、かつてローデシアと呼ばれた国の名はローズの国を意味する。即ち、デ・ビアスの創設者である、セシル・ローズの名に因む国名だ。 セシル・ローズは大英帝国の先鋒として積極的に植民地の拡大に奔走し,一国の名を与えられるほどの働きをしたのだ。
もっとも当時は世界の列強が争って弱小国の植民地化を推し進めていた時代であったから、セシル・ローズ自身には、国家への大いなる貢献と,自身の名誉と栄光の思いこそあれ、犯罪に加担しているとの意識は微塵も無かっただろう。アフリカのダイアモンド資源の独占はその賜物に他ならない。
絵はカイロからケープタウンまでを一跨ぎにするセシル・ローズ
世界のダイアモンドを支配している栄光の背景にある暗黒の歴史こそは、しかし、こんにち、一民間企業のデビアスにとって致命的なアキレス腱なのだ。
しかしながら、今後もアンゴラ、シエラレオネ、コンゴからの高品質ダイアモンド原石の流出が止まないのも明らかでありそれを買い続けねばならないのもデ・ビアスの宿命である。
だが,今までは黙認されて来た行為も、今後は白日の下に晒される。
秘密のベールに覆われている様で,ダイアモンド取引は逆にこんな透明なものは無いのだ。
例えば1996年、世界最大級のボツワナのジュワネン鉱山は1,536.8万トンの母岩を処理して1,117万カラットのダイアモンド原石を生産し,その平均単価はカラット当たり 82ドルで前年より 6%増え、品位は 3%下がった、と言う資料がある。 このような資料は世界のほぼ全てのダイアモンド鉱山について得ることが出来る。 ソ連崩壊以前には共産圏データは推定に止まっていたが,今ではほぼ全ての資料が公開されている。
これはダイアモンドが重要な戦略物資であるために,米鉱山局や、英、Mining Journal 誌などのレポートで公表されるためである。
デ・ビアスも公開された株式会社であるから、業績と共に、原石の販売数量などの詳細を発表しており、こうした数字をつき合わせると,闇のダイアモンドをどれくらい買っているかも分かってしまう。
今までは暗黙の了解があったから良かったが,今後はそうは行かない。
こうした状況の中で、非上場の私企業にしてしまう,と言うのが,デ・ビアスを事実上支配しているオッペンハイマー一族の決断であった。
企業が株式公開する最大の目的は資金調達だが、100年に及ぶ貴金属とダイアモンド事業とで豊富な資金があるデ・ビアス・アングロ・アメリカングループにとっては、今や上場公開の立場は今後の展開の足かせ以外の何物でもない。
その上,デ・ビアスの名は世界のブランド、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・シャンドン・エルメス)グループとの直接取引きでダイアモンドの直売により、引き続き残す事が出来る。
普通の企業であれば、100年も続いた企業の株式上場を廃止するなど,到底不可であろうが、さすが、オッペンハイマー一族、世界の正論を前に、思いきった葉隠れの手に出たものである。
キンバリー協定 (The Kimberley Process)の動向
密輸ダイアモンドから上がる膨大な利益が,アフリカ各国での紛争を一層複雑にし、また長引かせているのが現実だがそうした状況に終止符を打つためには、何らかの国際的な取り決めが必要となる。
それがキンバリー協定と呼ばれるもので、2002年10月に開催された世界ダイアモンド会議で成立に至り、2003年1月に世界の45ヶ国の調印により発足した協定。
この協定ではダイアモンドの取引に当っては ;
ダイアモンドの大きさ,数量、品質、価格を証明する証明書が無ければ、輸出も輸入も行えないとするもの。
また、この協定に調印していない国とのダイアモンド取引は行えない。
これによって違法なダイアモンドの取引が防げる。協定に違反した国には制裁が課される。
と言う趣旨である。
とりあえず、ダイアモンドの違法な取引を防ぐ枠組みが出来た事になる。
とは言え、前述のとおり、誰がどうやって証明書自体とその内容の真偽を判断するのか ? という、本質的な問題について決定的な解決策が見出させないまま発足した協定で、名前の示すとおり ”プロセス(過程)” に過ぎないという冷静な見方があるのも事実です。