ブラジリアナイト(Brazilianite)
Brazilianite 0.78ct - 4.93ct |
4.93ct 18x7mm | 0.78ct 10x3mm | 1.63ct 9x7mm |
Minas Gerais, Brazil |
5x4cm Edward Bancroft Collection Corrego Frio |
64x56x40mm | 24x23x15mm | 21x15x8mm | 31x23x15mm | 11x10x8mm |
Linopolis | Mendes Pimentel | Cruzeiro Mine | |||
Minas, Gerais, Brazil |
化学組成 (Composition) |
結晶系 (Crystal System) |
結晶形 (Crystal Form) |
モース硬度 (Hardness) |
比重 (Density) |
屈折率 (Refractive Index) |
NaAl3[(OH)2/PO4]2 | 単斜晶形 (Monoclinic) |
51/2 | 2.94 | 1.60-62 |
1942年、当時アメリカ自然史博物館の研究員だったF.ポー(Frederick Pough)博士がリオ・デ・ジャネイロのホテルに滞在中にブラジルのクリソベリル専門の宝石ディーラーが訪ねて来ました。
彼が取り出した結晶はクリソベリルに色合いこそ似てはいましたが、ポー博士は直ちに燐酸塩系の新しい鉱物であると確信を持ちました。 これがブラジリアナイト発見の経緯でした。
新しい鉱物はポー博士により、産出国に因んでブラジリアナイトと命名されました。
ポー博士が燐酸塩系の鉱物と直感したのは当然でしょう。
何故なら、燐灰石、ヘルデライト、ヘスフォライト,ブラジリアナイト、等々、燐酸塩系の鉱物はいずれも共通して、一種独特の潤んだような光沢を示します。
それは燐酸基と金属との結合力が弱いために、結晶内部に無数の微細な亀裂が生じるためと考えられます。そのためにモース硬度が低いという特徴を持っています。
したがって,美しく透明な結晶はファセット・カットされるのですが傷つき易いため、宝飾品に使われることはありません。 コレクションだけの宝石と言えましょう。
ブラジリアナイトの宝石級の結晶はミナスジェライス南部の Governador Vradares 近辺の Corrego Frio, Linopolis、Mendes Pimentel, Pamarol, Limoeiro等の燐酸ペグマタイト地帯に集中しています。
発見当時は20cmもある巨大な結晶が採れて、1個100ドルくらいだったそうですが,今日ではそんな結晶は少なくなり、美しい結晶の値段はとても高価なものになっています。
しかしルースは無傷のものでもカラット当たり100ドル程度と妥当な水準ですが、産出は少なく、宝石フェアでも滅多に見かける機会はありません。
ブラジル以外ではアメリカのニューハンプシャー等に標本級の結晶が発見されますが,宝石級の結晶は依然としてブラジルのみに産出します。