パキスタンの蛍石
(Pakistan Fluorites)


   
   

パキスタンの蛍石ルース
         
41.27ct 29.8x16.5mm   28.58ct 27.7x14.1mm  176.38ct 32x27mm 


       
27.88ct 22.4x19.5mm  14.37ct 15.1x15.1mm  34.24ct 26.5x10.2mm   1.62ct Ø7.6mm  1.52ct Ø7.5mm 1.66ct 8.7x5.8mm 

パキスタンの蛍石結晶
     
45x42x30mm 60g  24x20x17mm 14g 24x18x15mm 9g  74x48x35mm 82g  Balchistan

     
75x49x44mm 314g Yuno Shigar Valley Baltistan  52x40x25mm 86g  51x54x32mm Nagar 

   パキスタンは無数にあるペグマタイト鉱床から純度の高い蛍石結晶を産します。
純粋な蛍石は無色ですが、多くの蛍石はイットリウム、セリウム、サマリウム、プラセオジウム、ユーロピウム等のランタノイド族の希土類元素を含み青、紫、緑、ピンク等の美しい色合いを示します。
 世界に数ある蛍石産地の中で、パキスタンの蛍石は、無色の他に淡い緑やピンクの透明度が高く、美しい結晶を産します。
 ピンクの蛍石は世界でもスイスとフランスのアルプス,モンゴル、中国とペルーと産地が限られ、とりわけパキスタンからは、ルースにカットされる程の透明度の高い結晶を産します。
 蛍石はモース硬度が4と低く、そのうえ、結晶軸の全方向に強い劈開性があるため、ルースにカットすることが困難です。
 したがって、カットされたルースは宝飾品には使えませんが、腕に自信のあるカッターが、世界各地の美しい蛍石結晶のカットに挑戦します。
 大きく美しい結晶からカットされたルースには100カラットを超える大きなルースも珍しくはありません。
淡いピンクと緑と無色の176カラットのルースは蛍石のカットにかけては世界屈指の技術を持つアメリカのカッター、Michael Gray の手になる記念碑的な作品でしたが、2011年3月の東北大地震の際に、キャビネットが1m余り飛ばされて転倒した衝撃でテーブル面が剥離してしまいました。
 今では写真で往時の見事なカットを偲ぶのみです。


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