ヘルデライト（Herderite)

ヘルデライト　（Herderite） 0.29 - 2.50ct

2.5ct 11.0x6.8mm	1.1ct　9.4x5.6mm	0.29ct 5.7x4.3mm	1.0ct 8.0x6.0mm	0.7ct 5.0x5.0mm	0.52ct 6.10x4.67mm
Xanda Mine, Virgem da Lapa, Minas Gerais, Brazil

2.48ct 9.7x6.5mm Pakistan

ブラジル産の巨大なヘルデライト・ルース (Large Brazilian faceted herderites)

8.7ct　19x11mm	39ct	78ct

ブラジルのヘルデライト結晶’（Brazilian herderite crystals）

28x22x18mm	34x27x20mm	22x20x13mm	8x4cm　 Keith　Proctor　Collection
Xanda Mine, Virgem da Lapa, Minas Gerais, Brazil

　

ヒマラヤ山脈のヘルデライト結晶（Herderite crystals from the Himalaya Mtns.）

ヘルデライト結晶　1.3cm Pitwak Mine, Kokcha Valley	トパーズ結晶(1.3cm）を伴う ヘルデライト結晶(2.6cm）	結晶 (crystal) 14g ルース (faceted stones) 2.06, 5.52ct	2.1x1.4cm Baltistan
Badakshan, Afghanistan	Shingus, Gilgit, Pakistan	Kandahar Mine, Baha, Braldu Valley, Pakistan

Photo courtesy : John Veevaert Trinity Minerals

ヘルデライトが発見されたのは1825年、ドイツのザクセン地方、エーレンフリーダースドルフ（Ehrenfriedersdorf)の錫鉱山にて。
　命名は当時の鉱山長、 Von Herder男爵に因みます。　
　その後1883年にアメリカ、メイン州のStonehamペグマタイトにて、さらに1935年にはニューハンプシャー州Alexandriaのペグマタイトからも発見されましたが，いずれも極めて数が少なく稀産中の稀産の鉱物でありました。ヘルデライトは今日でも、分厚い鉱物図鑑を探してもまず見当たりません。
　ヘルデライトに限りませんが、既に展示済みのベリロナイトやアウゲライト等、宝石としてカットされる程の美しい結晶で産する燐酸塩系の鉱物は、如何に稀産とは言え、図鑑に記載すらないのは不思議です。現在でこそインターネットで容易に調べられますが、ほんの10年ほど昔はこうした稀産の鉱物の素性を確かめるのはほぼ不可能でした。
　しかしそのヘルデライトも第二次世界大戦後のブラジルのミナスジェライスのペグマタイトに大型の素晴らしく美しい結晶が発見されるようになり、かつて程の稀少な鉱物ではなくなって来ました。
　近年(2000年以降)アフガニスタンとパキスタン各地のペグマタイトからもヘルデライトが報告され始めました。
大半は結晶標本級ですが、稀に透明度が高くカットされる結晶も発見されるようです。
　2.48ctのオーヴァル・カットのパキスタン産のルースの詳細な産地は不明ですが、ヘルデライトのルースとしては色合い、透明度、
カットともに、稀に見る美しさです。　この緑の発色は緑のスポジューメンと同じ、マンガン・イオンによる発色です。
その他の紫や黄色、金色は恐らく不純物の鉄イオンによる発色と思われます。
　ネパールからも1970年頃にヘルデライトの産出が報告されていました。フランス，中央高地のオーヴェルニュ地方にて、白粒岩（Granulite)中に大量に散在して、ベリリウムの資源として商業的な採掘が可能な程のヘルデライト鉱床が発見されたとのことです。
　ブラジルの何処でも採れるわけではなく、産地は天然の青い色のトパーズの産出で知られるヴィルジェン・ダ・ラパのシャンダ（Xanda)鉱山に限られる様です。時には20cmにも達する、淡褐色，淡紫灰色、淡緑の結晶が見つかります。
かつては２〜３カラット程度の小さなルースがごく稀に市場に出るのみでしたが、この10年ほど、時に100カラットを越える記録的な大きさのヘルデライトルースが報告されるようになりました。
　。
　

Top

Gemhall