孔雀石( Malachite )


 
研磨された孔雀石と結晶 


       
 38x28x6mm 72.5ct  24x16x5.7mm 21.5ct 35x32x13mm 26.5g  57x50x19mm 118g
L'Etoile de Congo Mine 
65x45x35mm 
Mashamba West Mine, Katanga
Katanga  Congo  


    化学組成  結晶系  モース硬度   比重 
 孔雀石   Malachite  Cu2(CO3)(OH)2 単斜晶系
 (Monoclinic)  
 3.5 - 4  4.0 
 藍銅鉱 Azurite   Cu3(CO3)(OH)2   3.5 - 4  3.8 
孔雀石の名前と産状
 孔雀石の名は、その色合いが葵の葉の色を思わせることから、ギリシア語の 『 malakhé : 葵 』 に由来します。
葡萄状の団塊を切断して磨くと同心円上状の模様が現れ、孔雀の羽の模様を偲ばせることから和名では孔雀石と呼ばれます。
 銅の酸化鉱床帯の黄銅鉱等の銅鉱石が、地表近くで雨水や地下水、大気中の二酸化炭素と反応して出来る二次鉱物です。
同じ成因で、化学組成のよく似た藍銅鉱としばしば共生します。
 いずれも酸化銅の含有率が70%と高く、精錬も容易なため重要な銅鉱石として採掘されます。
 二次鉱物のため微細な繊維状の結晶が集合体として団塊状、葡萄状、鍾乳石状、と多様な姿で発見されます。
アメリカ南部、アリゾナ州、メキシコ、チリ、アフリカのナミビアやコンゴ等々、世界の銅鉱床地帯では重要な鉱石です。
 
 
         
 針状結晶 5mm 藍銅鉱と孔雀石  9x6x4㎝ 10.1x9.4x5.6㎝  研磨板 8x6.1x0.7㎝ 
 Andrasy Mine, Rudabánya, Hungary Tsumeb Mine,
Namibia
 Katanga Copper Belt
Congo
L'etoile Du Congo Mine 
Katanga, Congo
Kolwezi Mine, Lualaba
Congo 

装飾用途の孔雀石
ロシア サンクトペテルブルクの冬宮殿の孔雀の間を飾る孔雀石
       
 
 世界各地の銅鉱山から膨大な量が採掘される美しい色合いと模様の孔雀石は室内装飾用や、手軽な宝飾品等に加工されます ;

 とりわけ、18世紀にウラル山脈中部のニジニタギル周辺で発見された銅鉱床からは高品質の孔雀石が大量に採掘されました。
サンクトペテルブルクの冬宮殿や寺院の柱や扉、室内装飾品に惜しげなく孔雀石が使われました。 
また、孔雀石の花瓶や時計、置物等はヨーロッパ各国に輸出され、人気を的となりました。
 ロシアの孔雀石鉱山にまつわる民話の『石の花』の物語は、ソヴィエトで最初にカラー作品として映画化されました。

 今日、市場で見かける孔雀石の標本や研磨品の大半はアフリカのコンゴとザンビアの北部にまたがる、幅100㎞、総延長が500㎞に及ぶ、いわゆるカタンガ・カパー・ベルトと呼ばれる巨大な銅鉱床帯から産出されたものです。 


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