新着宝石展示室
(New Crystal Gallery)


October 2024 : ヴェトナムのトパーズ


   
水摩礫 1.32g(9mm) -2.98g(19mm)   58g 49x43x39mm 85g 56x33x25mm  13g 30x19x13mm
Nghe An, Vietnam 


     
 85g 56x33x25mm


         
58g 49x43x29mm  13g 30x19x13mm 
 1990年代央頃から、ルビー、サファイア、スピネル、アクアマリン等、ヴェトナム各地にて宝石産地が相次いで発見されました。
 ルビーとスピネルは結晶標本が早くから市場に姿を見せていましたが、今回ようやくにしてトパーズ結晶を入手しました。
見るからにペグマタイト産の、崩落鉱床(風化したペグマタイト岩体からこぼれた結晶が、姿を保ったままその場に残されている状態)と、水摩礫(川に流され、削られて丸くなり、元の姿を留めない結晶)との二つの種類です。
 水摩礫は、結晶を入手した際にオマケとして同封されていました。

 トパーズは世界各地に様々な産状で発見され、数こそ多いのですが、宝石質のものは少なく、市場に出回るのは、ブラジル・ミナスゼライス州の鉄鉱石鉱床地帯に、恐らく熱水起源で生成した、インペリアル・トパーズです。
 ペグマタイト起源の鉱床には大きく透明な宝石質のトパーズがありますが、無色、淡褐色等、宝石としての魅力に欠けるため、宝飾用ではなく、コレクター向けにカットされるものが大半です。
 ヴェトナム産のトパーズも、写真のように端正な姿を見せますが、コレクター向けの結晶標本級の品質です。
内部に包有物を伴わない透明度の高い結晶は、原子炉での照射と、加熱処理によりブルートパーズに変身して、大半はヴェトナム国内で宝飾品として販売されていたようです。

 そんなわけで、永らく、姿を見せなかったヴェトナムのペグマタイト鉱床産のトパーズにようやくお目にかかりました。


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