新着結晶展示室 (New Gemcrystal Gallery)

February 2021 : トルマリン (Tourmalines)


 
ブラジル、タンザニア、マダガスカルのトルマリン結晶
( Tourmalne crystals from Brazil, TAnzania and Mdgascar) 


ブラジルのトルマリン (Brazilian Tourmaline)
       このトルマリン結晶は、実は40年ほど昔にツーソンにて入手したものです。
 トルマリン結晶は現在ほどではないにしても、当時、すでにかなりの高値になっていましたが、この結晶は折れていたものの修復品のため、格安になっていたもの。
 ブラジル産との表示で正確な産地は不明でした。
長年、ジョナス鉱山群産のルベライトかと思っていましたが、最近、各地の標本と比べてみて、どうやらクルゼイロ鉱山産と見当をつけています。
 75x10x8mm  
 Cruzeiro Mine, Minas Gerais, Brazil  


マダガスカルのルベライト (Rubellite matrix from Madagascar)
 
ペグマタイト脈中のルベライト結晶 28x10x8㎝ 

 近年、とりわけこの20年余り、アフリカ産の宝石が市場を席巻するようになりました。
アフリカでは採掘された結晶が加工されることは無く、その殆どはタイやスリランカにて宝石ルースがカットされるという流通形態になっています。 したがって、アフリカ産の宝石結晶を日本で見かける機会はなかなかありません。
 写真の結晶は、宝石質ではありませんが巨大なルベライト結晶がペグマタイト脈中に群生している標本で、観賞と固定用にあつらえた台付きで水石業者が扱っていたものです。 恐らく中国で加工されたのでしょう。
 近年鉱物結晶の値段が高騰していますから、一般の鉱物販売店でこの大きさのトルマリン・マトリクスは気の遠くなるような高値で取引されますが、どういう訳か水石業者が扱うと、紫水晶の晶洞や、キログラム単位のラブラドール研磨品等が信じられないような手頃な価格水準になっています。

タンザニア」の宝石質トルマリン結晶( Gemmy Tourmalines from Tanzania)

          前述のようにアフリカ産の宝石質結晶は、滅多に日本市場に流通しないのですが、珍しくタンザニア産のトルマリン結晶を見かけました。
 緑の結晶は、クロムを含むウヴァイト・トルマリンの宝石質の結晶です。
 クロム・トルマリンは最初にビルマのシャン高原で発見されましたが小さな結晶しか採れず、宝石としてカットされることはありませんでした。
 20世紀末になってようやく、ケニアとタンザニアの国境を流れるウンバ川沿いやメレラニ丘陵でようやく大きな結晶が発見され、ルースが供給されるようになりました。
 しかし稀に発見される結晶は小さく、カットされるルースは1カラット程度の大きさが大半です。
 多彩な宝石を産するタンザニアですが、クロム・トルマリン以外の普通のエルバイト・トルマリンにはあまり見るべきものがありません。
 今回は小さいながら赤と淡黄のバイカラーの宝石質の結晶を初めて見かけました。
 クロムトルマリン
27x11x5mm
 
 エルバイト・トルマリン
18x5mm
 
Tanzania   


TOP New Crystal Gallery Gem Hall