新着結晶展示室
(New Crystal Gallery)

January 2024 ：　アメリカの鉱物結晶(American Crystals)

北米各地の結晶 ( Crystals from U.S.A.)

サン・ディエゴのトルマリン(San Diego Tourmalines)

トルマリン結晶　30x17x13㎜㎜		トルマリン結晶　23㎜

　カリフォルニア州サンディエゴでは20世紀初頭にペグマタイト鉱脈が発見され、トルマリン、ガーネット、アクアマリン、クンツァイト等の宝石質結晶が断続的に採掘され、現在も新しい鉱脈の発見がしばしばニュースになります。
　こ後の鉱山は全てが一次鉱脈を採掘しているので、大がかりな重機や使っていますが、鉱脈に当たるか否かは殆ど博打のようなものです。　運よく鉱脈を探し当てても、得られる結晶の大半は結晶標本級が大半で、多くは結構な高値で、ツーソンや、アメリカ各地の鉱物ショーに出品され、日本の鉱物市場に姿を表すことはまずありません。
　写真は、アメリカを拠点に鉱物結晶を自ら採集している業者が出品したルベライト標本です。
前述のように、サンディエゴのペグマタイト産の結晶標本を実物を見る機会さえ殆どありませんから、1個2000円程度の妥当な水準で、透明度の高いルベライト結晶標本を入手できました。
　産地が　San　Diego　Mine　となっていて、詳細な産地が不明なのは、これらが、現地のディーラ経由で入手したロットのものだったため、と思われます。

カリフォルニアのアクアマリン(California Aqualmarine)

			これらのアクアマリン結晶標本は、前述の業者が自ら採集したものです。 　カリフォルニア産ですが、サン・ディエゴのペグマタイトではありません。 　Lone Pine とはロサンゼルスから州道395線を北に270㎞程北上した、デスバレーとセコイア国立公園との狭間に位置する荒涼とした山岳と砂漠地帯にある町ですが、この周囲にも標本級ではありますが、色の濃いアクアマリンを産するペグマタイト鉱床があるのですね。 　もう一つの不透明な無色の緑柱石結晶はオマケにいただいたものです。 　かつては日本各地のペグマタイトでもこのような標本は採集できたものです。 　Blue Belle Mine とは、実はカリフォルニア州に同じ名前の重金属鉱山がいくつかあるため、正確な場所を特定出来ないのですが恐らく、ロサンゼルスからラスヴェガス方面へ向かう州道15号線の周囲にいくつかあるペグマタイト鉱床と思われます。
	煙水晶中の不透明な緑柱石結晶　22㎜
70x44x25mm	37x20x17mm
Lone Pine、California	Blue Belle Mine、California

モンタナのサファイア(Montana Sapphire)

			モンタナ州のサファイアは大半が漂砂鉱床から水摩礫として採集されます。 　唯一，ヨーゴ峡谷では2000年代末まで一次鉱床から結晶を採掘していましたが、現在では停止しています。 　したがって、ネットに出ていた結晶は、ヨーゴ峡谷産の古い結晶標本かと思って入手したのですが、産地はモンタナ州最西南端の、ワイオミング州イエローストーン公園に近い、ボーズマンなる市近郊とラベルにありました。 　全く宝石質ではありませんが、如何にもサファイアの姿と色合いの結晶標本です。
22x9.6ｘ7.0㎜　 near Bozeman, Gallatin Co., Montana

ユナカイト(Unakite from Unaka, North Carolina)

				ユナカイトとは、アメリカのテネシー州東部との州境にあるユナカ丘陵で発見された緑簾石（エピドート）、長石、石英、緑泥石等が混ざった、鉱物というより、岩石です。 　緑の部分が緑簾石と緑泥石、ピンクの部分は含まれる鉄分が酸化した長石です。 　様々な形に研磨された石は、アクセサリーや工芸品に使われます。 　原産地のユナカ以外に、他のアメリカ各地、ロシア、南アフリカ等でも発見されます。 アクセサリー用に様々な形に研磨され、直径20～30㎜程のビーズが、50個まとめて1500円等という値段で、売られています。
ユナカイト片　50g 61x35x10mm Unaka Mtn, North Carolina, U.S.A.		アクセサリー用研磨片