新着結晶展示室
(New Crystal Gallery)
March 2025 : ギニア産ルビー (Ruby from Guinea, Africa)
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6.90ct 12.90x7.36x6.82mm |
5.20ct 11.9x5.2x9.2mm |
3.60ct 7.80x6.05x5.48mm |
6.29ct 9.1x8.1x6.9mm |
5.47ct 11.2x7.1x5.8mm |
この1年ほどネット市場に登場したギニア産のルビーです。
アフリカのギニア産らしいのですが、如何なる資料に当たってもギニアで宝石はおろか、コランダム結晶を産するという情報がありません。
第一にギニアとは何処のギニアなのか ?
アフリカには”赤道ギニア”、”ギニア・ビサウ”、”ギニア” と3つのギニアを名乗る国があり、そのうちのどれかなのか ?
あれこれ調べた結果、アフリカ西岸、赤道に近い、北緯10度にあるボーキサイト鉱床のマークがあるギニア共和国ではないかと、見当を付けました。
この国のボーキサイト埋蔵量は何と74億トンと世界一、生産量も2020年に8600万トンとオーストラリアの
1億400万トン、中国の9300万トンに次ぐ世界第3位の産地なのです。
ボーキサイトを含む地層が地殻変動による熱変成作用でコランダムの結晶が生まれても不思議はありません。
ただし、宝石質のルビー結晶が成長するための十分な時間と、クロムの含有量とが足りなかったために、写真のような、かろうじて標本級の結晶と、なんとか亜透明の標本級のルースが得られたということなのでしょう。