新着結晶展示室
(New Crystal
Gallery)
May 2011 : 水晶 (Quartzs)
薔薇水晶 (Rose Quartz)
水晶には様々な色合いがありますが、唯一薔薇色の水晶は 一般に塊状としてのみ発見され、結晶形を示すものは極めて 稀です。あったとしても結晶の大きさが1cmを越える例はまず ありません。その希少性のために滅多に見かける機会もなく、 偶に出会ってもまるで見映えのしない標本に目をむくような値 が付いていたりと、結局これまで手に入れることが出来ません でした。今回ようやくにして、少しは水晶らしい結晶形と大き さの薔薇水晶を、ごく妥当な値段で見かけ、コレクションに納 まりました。ただし、実物は薔薇水晶らしい色は下部の小さな 結晶のみ、上部の大きな水晶は半ば煙水晶となっています。 | ||
67x52x53mm Chapadiña, Minas Gerais, Brazil |
紫水晶 (Amethyst)
カザフタンは小さいながらほぼ理想形の両錐を見せる紫水晶を産します。 これは紫水晶としては稀な形状です。バルハシ湖岸産とのこと、詳細な産地 は不明です。が、バルハシ湖の北岸には銅、マンガン、タングステン、モリ ブデン等を産する鉱山が多数あり、恐らくこの紫水晶もこれらの熱水起源の 鉱脈中に生成されたものと考えられます。現在では既に絶産とのこと。 34x30x18mm Balkhash Lake, Kazakhstan |
アホー石入り水晶(Quartz with ajoite inclusion)
36x20x10mm
Messina Mine, South AfricaAjoite 60mm
Cornelia mine Ajo, U.S.A.
アホー石 :(K,Na)Cu7AlSi9O24(OH)6・3H2O とは銅の2次鉱床にシャタック石と共に生成される鉱物です。
稀に微細な結晶形を見せるアリゾナ州 Aj o の町の New Cornelia 鉱山に因んで命名された鉱物です。
アホーとは日本語では妙な語感ですが、スペイン語のニンニク、或いは顔料を意味する先住民の言葉に因む地名とのこと。
アホー石そのものが特に魅力ある鉱物ではありませんが、南アフリカのメッシーナ鉱山産の水晶には鮮やかな色合いのアホー石が包有物として含まれ、コレクター垂涎の標本となっています。
かつては珍しさから少し大型の標本が数十万円と、数ある水晶の中では際立って高価な標本の一つでありました。
この一年余り、供給が増えて急激に値下がりして手頃な水準になったので、ようやくコレクションに加わった次第。
水晶(Quartz)
アメリカ・ニューヨーク州のハーキマーの砂岩の空洞中に産する素晴らしく透明度が高く、両錐を持つ水晶はハーキマー・ダイアモンドとして人気があります。
その他中国にも同様の水晶の結晶が採れますが、ハーキマー産ほど透明ではありません。
近年、パキスタンのワジリスタンから少量ですが、ハーキマー型の結晶が姿を見せるようになりました。やや包有物がありますが、高い透明度を持つ水晶の結晶です。
同じくワジリスタンのワーナからは時々ファーデン水晶と呼ばれる結晶の中心に気泡と水泡から成る縫い目のある平板状の群晶がまとまって発見されます。
世界中何処でも採れる水晶ですが、パキスタンはコレクターにとっては注目すべき珍しい種類の水晶産地と言えるでしょう。
16x16x6mm Wana, Waziristan, Pakistan
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