新着宝石展示室
( New Gemstone Gallery)


2022 April : アフガニスタンのトルマリン (Afghan Tourmalines)


 
0.68ct Ø5.6x3.0mm  5.10ct 10.0x8.6x5.7mm  1.17ct 9.7x4.0x2.9mm 
  アフガニスタンの最北東部、パキスタンと国境を接する一帯に世界で最大級のペグマタイト鉱床が無数にあり、世界で最も美しいパステル色のエルバイト・トルマリンを産します。
 アフガニスタン産のエルバイトは、イタリアのエルバ島、カリフォルニアのサン・ディエゴ周辺のトルマリンと極めてよく似た色合いを示します。
 これらの産地のエルバイトはしかし、結晶内部に多くの亀裂や内包物を大量に含むものが大半なので、宝石としてカットされることは少なく、美しい色合いの見事な結晶が標本として世界の博物館や結晶コレクターの手に収まります。
 したがって、ルースとしてカットされるアフガニスタン産のトルマリンは、ツーソンやミュンヘン等の規模のショーに出かけない限り、ネット市場では年1個くらいしか見かける機会がありません。
       この暗緑色のルースは標本級でしかありませんが、ブラジルのトルマリンに多い褐色味を帯びていません。
 恐らく、褐色の原因となるチタン成分比が少ないためと考えられます。
 
 5.10ct 10.0x8.6x5.7mm    
        このルースは数年前に入手しました。 
アフガニスタンのエルバイトに特有の典型的なパステル・グリーンの美しい色合いです。
 小さいながら、内包物を殆ど含まず、透明度の高い宝石質のルースです。 
 0.68ct Ø6.6x3.0mm  
     
 1.17ct 9.7x4.0x2.9mm  35x8.7x6.0mm 3.5g
 内包物が多いルースですが、結晶の写真のように、アフガニスタンの、Paprok, Mawi ペグマタイトのピンクのエルバイト結晶は、透明度が低く、ルースとしてカットできるものは皆無に近いのが現実です。
 40年余りコレクションをしていた、これが初めてのアフガニスタン産のピンクのトルマリンのルースです。
ピンクの結晶は、昨年、パキスタン産として、入手しましたが、実はパキスタンでは、このようなピンクのトルマリンを産しません。
 アフガニスタン産の宝石や結晶のほぼ全てがパキスタンのペシャワール経由で世界の市場に流通しているので、時に産地の特定が混乱する例がありますが、色合いや結晶の特徴等から、正確な産地を特定できることがあります。
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