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(New Gemstone Gallery)
April 2015 : 合成水晶 (Synthetic Quartz)
合成水晶 (Synthetic Quartz) 16.25-41.0ct |
美しいにも拘わらず合成水晶が宝飾品として使われることは滅多にありません。
したがって、そのルースは、ツーソンやミュンヘン・ショーといった、世界的なフェアでごく少数のディーラーが扱っているだけで普段見かける機会はありません。
ところが最近、タイのディーラーがネット市場にコンスタントに出品しているのを見かけるようになりました。
紫水晶、黄水晶、アメトリンに加えて、天然には無い色合いや、これまで見たことの無い多色等々、様々な色合いの合成水晶が登場しました。
生産はほぼ全てがロシアで行われていると考えられますが、タイか中国でカットされて、タイから世界の市場へ流通しているものと思われます。
水晶の中でもっとも人気があり、値段も高いのが紫水晶です。 といっても天然に大量に産するため、どんなに高くてもカラット当り10ドル程度です。
しかし近年では天然の紫水晶のロットにかなりの量の合成品が紛れ込んでいることが世界の宝石商の脅威となっています。
しかし、合成水晶は天然の水晶を材料に再結晶させ、発色の原理も天然と全く同じですから、天然と合成品とを識別するのは不可能ではありませんが、極めて困難です。 信頼できるルートで入手している一流の宝石店であれば間違いなく天然の品を扱っていますから問題はありません。26.93ct 26.7x18,5x10.7mm
紫と黄色とが対角線を挟んでくっきりと分かれる方向でカットされていて、宝飾品に使えば面白い効果が得られそうです。
紫水晶と同様に、アメトリンも天然と合成との識別は困難ですが、一般に天然と比べて合成品は黄色も紫も濃い色合いで発色させています。
天然でも合成でも値段の差はそれほどありませんから、濃い色合いの合成品を大胆なデザインで使えば宝飾品としてはむしろ存在感があるかと思います
16.25ct 23.3x10.8x8.2mm
すばらしく綺麗な合成シトリンです。
合成水晶の中でももっとも発色が簡単なシトリンですが、天然の紫水晶を加熱処理で金色に発色させたものが豊富にあるために、合成品は滅多に見かけません。
需要が全く無いので生産されることも少なく、稀に作られた結晶がカットされることも殆んど無いというのが実情でしょう
実は合成品はこれが20年ぶりにやっと2個目に出会ったほどの珍しいものです。22.13ct 20.9x17.4x11.0mm
トルマリンやデュモルチエ石等の、青い鉱物の微細な結晶片を含む青い色の水晶は稀に存在しますが、均一に発色したものではなく、不純物の混入によってによって透明度が損なわれます。
したがって、青と黄色の二色の組み合わせの水晶は一見して合成品と判断できます。
この色の組み合わせはあまり美しいとは思えず、珍しいだけが取り柄ですが、ともかくこんな色合いも出来るという例です。41.0ct 24.5x16.7x11.6mm
上述の二色と同様、緑と青も天然には有り得ない色の組み合わせです。
ただし、近年様々な色合いのタンザナイトが出現し、中にはこの合成水晶のような緑と青との二色の組み合わせがあります。 大変珍しく、そのうえ綺麗な色合いなので唖然とするほどの高値を呼んでいます。
実は、この緑と青の二色の合成水晶も人気が高く、オークションでは競争が激しく、カラット当り70円と、他の色の4倍もの高値でようやく落札出来た次第。
32.1ct 23.3x16.1x11.3mm
見るからに合成と分かる青い水晶ですが、この輝かしい青はアウインやラジュライトと全く同じものです。 いずれも天然では大きなものが皆無で、せいぜい0.2カラットほどの小さなルースしか得られません。
合成水晶ですから100倍も大きなものが1万分の1にもならない値段で手に入るのが嬉しいところ。26.85ct 21.8x19.0x10.8mm
やや緑を帯びた淡青色の水晶も天然にはありません。
なんとなくモザンビーク産のパライバ・トルマリンをしのばせる色合いです。
しかし、このような高い透明度を持つパライバ・トルマリンはありません。
前述の多色のタンザナイトやアウイン、ラジュライトと同様に、天然ではまず有り得ないような大きく美しいルースが合成水晶ではいとも手頃な値段で楽しめます。20.48ct 19.1x19.0x11.0mm
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