新着宝石展示室(New Gemstone Gallery)


2017 August : 長石族の宝石(Feldspar Group Gemstones)


     
長石族の宝石 0.7ct - 15.73ct    14x8x7㎝ 1.2kgs 17x13x6㎝ 1.7kgs 
Madagascar 
 

 
宝石としては地味な存在ですが、新たに加わった様々な種類の長石族のルースと置物を紹介します。

マダガスカルのラブラドール石 (曹灰長石 :Labradorite from Madagascar)
 ラブラドール石の美しいものはアクセサリー用に使われますが、写真の大きな石は置物として磨かれたもので、恐らくは中国製の、石を安定させるための木の台座が付いていました。
 左側の金色の石は別の面は青と金が混ざった色合い、右側の石もそれぞれの面が見る角度により青、金と多彩な色を示します。
 近年マダガスカルにて大鉱床が発見されたようです。こうした大きなものが、1個千円程度で、主に水石業者のオークションに出ています。

マダガスカルのオリゴクレース (Blue Oligoclase from Madagascar)
     2016年末以来、未だに正確な産地情報は不明なのですが、アクアマリンのような淡青色の透明な長石が主にネット市場に姿を現すようになりました。
 屈折率と比重からは灰曹長石(オリゴクレース)です。
 透明なオリゴクレースは一般に無色か淡い金色のものがありますが、アクアマリンを思わせる色合いは、かつてカナダ、オンタリオ州から産出した記録があります。
 マダガスカルの新しい産地のものは1カラット程度の大きさです。
 
 0.95ct 8.5x4.6mm, 1.1ct 7.6x6.0mm  0.7ct 8.3x5.0mm, 1.1ct 9.1x5.5mm  


ブラジルの正長石 (Orthoclase from Brazil)
      ブラジル産の透明なオルトクレースを見るのは実は今回が初めてです。
 無数のペグマタイトが存在するブラジルで、宝石質のオルトクレースが無い筈がないと、長年探していましたがようやく、めぐり会いました。
 マダガスカル産の正長石(現在では玻璃長石:サニディンとされています)とよく似た色合いです.
 2.86ct 11.5x8.0mm  


コンゴのラブラドール石 (曹灰長石 :Labradorite from Congo)
       質、量ともに多彩な鉱物資源を誇るコンゴですが、ダイアモンドは別として、宝石に関してはさて、何かあったかと、考えてしまうほどに影の薄い存在です。
 ラブラドーライトは、宝石としては全くマイナーな存在ですが、ともあれ稀なコンゴ産の宝石がコレクションに加わりました。
 3.7ct 11.0x9.1mm  


インドのオリゴクレース (灰曹長石、Oligoclase from Orissa, India)
   ごく最近ですが、インドのオリッサ州産の大きく透明なオリゴクレースを頻繁に見かけるようになりました。
 10カラットを超えるようなルースが、比較的に手ごろな値段で入手できるのが何よりです。
 透明度が高く、淡い金色の石は、マダガスカル産の玻璃長石に匹敵する美しさです。
  
 5.59ct 12.1x10.1mm  


ロシアのアマゾナイト(天河石,微斜長石 : Amazonite, Microcline)
     恐らくウラル山脈のペグマタイト産と思われますが、ロシア産のアマゾナイトは、結晶もなかなか見る機会がありませんが、研磨されたカボションは初めてです。
  Gems & Gemmology Spring 1995に産地不明ですが、ロシア産の緑色がかったアマゾナイトをオベリスクの形状に研磨した物が記載されていました。
それと比べると、今回入手したカボションはなかなかきれいな色合いで、しかも背面も研磨されています。
 これならアクセサリーや宝飾品にも使える水準です。
 
 15.73ct 21.5x14.0x7.5mm  

ビルマのムーンストーン
    ビルマでムーンストーンが採れるのは知っていましたが、市場で見かける機会はあまりありません。
 恐らく玻璃長石と思いますが、このカボションはシーンこそ淡いのですが、ファセット・カットができるほどに透明度が高いのが特徴です。    
 2.2ct 8.9x6.6mm  


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