新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)
December 2010 : コレクター・ストーン(Collector Stones)
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スリランカの紅柱石(Srilankan Andalucite)
宝石質の紅柱石はスリランカでは稀にしか採れません。
したがってカットされたルースは稀に見かけるのは標本級の品質であったり,ごく小さなものです。もっとも主産地のブラジルでも紅柱石のルースは殆どが1カラット前後の小さなルースしか採れません。
写真のルースはアメリカ鉱物学会の重鎮であったF.ポー博士のコレクションの放出品です。
一般に紅柱石は結晶の方向により緑と橙との多色性を示します。
が写真のルースは単色ではありませんが、どの方向から見ても橙味の強い色合いです。
産地、色合い共に貴重な標本と言えるでしょう。1.36ct 10.8x6.4mm
Ex-F.Pough Collection
スリランカの頑火輝石(Srilankan Enstatite)
頑火輝石は世界中に普遍的に存在するありふれた造岩鉱物です。
橄欖石に良く似た珪酸マグネシウムから成りますが、一般には鉄分を含み不透明〜暗緑色の団塊状で産出します。
宝石質の頑火輝石は世界で唯一、スリランカの川の砂利の中の水磨礫として発見されます。
不純物の鉄の含有量が低く無色ー淡褐色ー淡緑色のファセット・カットや、カボションに磨いてキャッツ・アイ効果を示すもの等がコレクター向けにかっとされます。
写真のルースは光の加減によっては淡いピンクにも見える、頑火輝石としては珍しく大きなものです。4.19ct 12.0x9.3mm
カナダ・バフィン島のパルガス閃石(Pargasite from Baffin Island, Canada)
頑火輝石と同じく角閃石も何処にでもある代表的な造岩鉱物です。
かつては角閃石族の鉱物は工芸品に使われる軟玉以外には宝石質は皆無でありました。
しかし1990年代後半以降、アフガニスタン、パキスタン、ビルマ、ヴェトナム等から、稀にではありますが宝石質のエデン閃石、リヒター閃石と共にパルガス閃石の透明な結晶が採集され、カットされたルースを専門誌で見かけるようになりました。
ただし数が極めて少なく、市場に姿を現すことは皆無でした。
写真はパルガス閃石のカナダのバフィン島産のルースです。
1994年の Canadian Gemologist 誌 Volume 15 Nr.4 号に報告されていましたが、今回よう やく実物を手にすることが出来ました。
小さくて見映えがしませんが、珍しい鉱物の珍しい産地の貴重な標本です。0.55ct 6.1x4.1mm
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