新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


December 2023 : スモークオパール(Smoked Opal)


 
Smoked Opal  0.78 - 1.89ct  Wello, Ethiopia 


       
1.61ct 14.4x6.5x4.4mm 


       
0.78ct 9.1x6.5x3.4mm 
       
1.89ct 11.3x8.1x5.0mm

     
1.35ct 10.1x7.3x4.0mm 

   写真のオパールは、近年、スモークオパールとしてネット市場に姿を現したものだ。
エチオピアのウェロ産のオパールだが、強烈なファイアーが黒い地から浮かび上がり、角度を変えるとまさに
千変万化の光の饗宴を見せてくれる。
 これをブラックオパールと称してカラット当たり十万円もの値付けをしている業者もいる。
様々ある宝石の中で、ブラックオパールほど価値の基準のあいまいなものは他に例がなく、カラット1万円と、百万円とでどこがどう違うのか判別しがたい例が少なからずあります。
 さて、写真のオパールは、スモークオパールとしてカラット当たり1000円と格安で出品されていたもの。
スモークオパールとは一体何物か ?
 調べてみたところ、正しくは ” Smoked Opal ” 即ち煙で燻したオパールの燻製と判明。
実際には、カットしたオパールを新聞紙にくるんで火をつけて加工する手法で得られたもの。
 多孔質のオパール内部の空隙に煤が入り込んで黒い地が生成されるためにファイアーが際立って見えるということ。
 多量の水分を含むオパールを新聞紙に包んで燃やしたら、水分が蒸発してオパールがダメになってしまうのではないかと危惧されますが、こうした加工を無事生き延びたオパールが売られているようだ。

 エチオピア、ウェロ産のオパールは安価で美しいものだが、こうして煙で燻すという、いささか荒っぽい処理で、本来のファイアーが一段と強調されて高価なブラックオパールに変身を遂げる様には、何とも不思議な感慨を覚えてしまいます。
 多量の水分を含んで乾燥に弱く、2~3年で割れてしまうこともあるウェロ産のオパールですから、耐久性が最も気になりますが、これらのオパールは、入手して1年弱ですが、今のところは、割れたりひび割れたりせず、美しいファイアーを見せてくれています。


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