新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


December 2023 : カボション (Cabochons)

 
 菱マンガン鉱(Rhodochkrosite) 紅簾石(Piemontite) 
クンツァイト(Kunzeit)   薔薇水晶(Rose Quartz)

 一般に宝飾用に使われない鉱物も色や模様が美しいものは、カボションに研磨してアクセサリー用途に使われます。
 宝飾用途でなければ、大量にある鉱物を、昔から装飾用や衣装用ビーズ等、伝統的にインドで盛んだった加工産業が現在も健在であり、低廉な工賃で生み出されるありとあらゆる鉱物のビーズやカボションの製品が、アクセサリー用品専門業者のネット・ショップに出品されています。
 普通のルース専門業者で数百円から数千円で売られているカボションが、こうしたアクセサリー専門ショップでは数十円から2-300円と一桁も二桁も安い水準です。
 ネックレスチェーン用に50個まとめて1500円程というのが相場ですが、コレクションとしては多少割高になっても1~2個あれば十分ですから、選り取り見取りで入手したのが、今回の展示です ;

ペルーの菱マンガン鉱 (Rhodochrosite frofm Peru)
      ペルーの太平洋岸沿いのアンデス山脈に沿って1000㎞に及ぶ無数の金属鉱山群があります。
 金、銀、銅、鉛、亜鉛、鉄等の重金属鉱脈を埋める様に、菱マンガン鉱脈があります。
 コロラド州のスウィートホーム鉱山、南アフリカのン・チュワネン鉱床と並んで、ペルーもかつては菱マンガン鉱んも美しい結晶の産地でした。
 今日では結晶標本を見かける機会が絶えて無くなりましたが、宝石質の結晶ではありませんが、こうしてアクセサリー級の美しいマガン結晶団塊の産出は続いているようです。
 
28.1ct 24.7x19.8x5.6mm 19.6ct 21.8x11.0x6.6mm  

 ピエモンタイト・紅簾石〖 Piemontaite : Ca2(Al,Mn3+)3Si3O12(OH)〗
     宝石としてカットされるような紅簾石の結晶は見たことがありませんが、マンガン発色の美しい団塊は、日本でも糸魚川構造線の北端の糸魚川と南端の静岡でも発見されます。
 恐らくアフリカ産がインドで加工されたと思われる、この紅簾石のカボションは、地味ではありますが、うまく使えば洒落たアクセサリーになるでしょう。
 
29.5ct 22.8x18.2x7.1mm 25.15ct 24.0x16.5x6.4mm  

クンツァイト (Kunzeite)
      クンツァイトはこの10年ほど、アフガニスタンにて大型の宝石質結晶を大量に採掘されるようになり、10カラット超の相当美しいルースでもカラット当たり数百円と、昔と比べると信じられないような安値で出回るようになりました。
 したがって、不透明な、ルースとしてカットできないような結晶は鉱物標本としても注目を浴びないのでしょう、思いもかけないカボションとしてアクセサリー用に加工されるようになったと思われます。
 
19.8ct 26.3x13.0x5.7mm  

ストロベリー水晶 (Strawberry Quartz)
     赤やピンクの水晶は、一般に薔薇水晶、あるいはストロベリー水晶と呼ばれます。
 赤みを帯びた薔薇水晶の色合いは、、チタンイオンや燐 イオン、あるいは微細なヂュモルチエ石による発色です。
 一方、イチゴ水晶の発色の多くは主に、赤鉄鉱,燐鉄鉱、針鉄鉱等、鉄の酸化物を不純物として含みます。
 かつてカザフスタンン産のイチゴ水晶が市場に出た時には珍しさから結構な高値で取引されていたものですが、近年はマダガスカル等で大量に採掘され、こうして手ごろなアクセサリー用として安価で出回るようになりました。
31.45ct
26.6x21.6x5.9mm
 25.4ct
25.4x20.1x8.1mm
 


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