新着宝石展示室
( New Gemstone Gallery )


February 2019 : 柱石(Scapolites)

 
世界各地のスカポライト(Scapolites from world's loality)  0.77 -2.02ct

アフガニスタンの柱石 ( Afghan Scfapolite )
     
   アフガニスタンは最も美しい紫色のスカポライトの産地です。
今回入手した紫色のルースは、とりわけ濃い美しい色合いです。
 しかしながら、この紫色は、発色の仕組みこそ異なりますが、紫水晶と全く同じです。
実は黄水晶にそっくりな金色のスカポライトもあります。色合いだけではなく、比重や屈折率
の値も、殆ど水晶と同じなので、専門家が精密に紫外線反応や複屈折等を調べて、ようやく
識別できるという宝石です。
 紫水晶の紫は、あらゆる紫色の宝石の中では最も魅力的な発色なのですが、世界中で
毎年膨大な量が採掘されるので、全く評価されません。
 したがって、美しいスカポライトは稀ではありますが、宝石店で見かける機会はまずありません。
 美しくはあっても、スカポライトはコレクターの宝石です。
 黒いスカポライトは、おそらく不純物として角閃石や針鉄鉱の微細な結晶を内包するため、実は
透明なのですが、一見すると不透明に見えます。 美しいとは言えませんが、初めて見る標本です。
 1.55ct 8.12x7.52x4.88mm  1.68ct 9.0x7.3x6.9mm
Afghanistan 

スリランカの柱石 ( Srilankan Scapolites)
       無色透明のルースはメイオライト として出ていたものです。
調べもしないで、うっかりと買ってしまってから、これはスカポライトであると気付いた次第。
 実はスカポライトは曹達柱石/マリアライト( Marialite :: Na
3〔Al3Si9O24]NaCl ) と
灰柱石/メイオナイト ( Meionite : Ca
3〔Al6Si6O24〕CaCO3 という二種類の鉱物の成分が混じり合った固溶体として産する鉱物なのです。
 外観から識別するのは困難ですが、カルシウム成分が多く含まれているものが、灰柱石/メイオナイトと呼ばれることがあると、入手してから気付きました。
 スリランカ産の柱石には淡黄色、ピンク等がありますが、大半は無色のものが多く、すでにたくさん持っていました。
 一方紫色は、タンザニアとアフガニスタンが主産地で、スリランカからのものは今回が初めてです。
 1.89ct 7.2x7.1mm  0.77ct 7.0x5.1mm  

タンザニアの柱石 ( Tanzanian Scapolite )
      タンザニアは無色、紫、金色と、多彩な美しいスカポライトの
産地ですが,時折美しいキャッツアイ型のスカポライトを産します。
 オレンジ色色を帯びた、半透明のキャッツアイは宝飾品として
使っても十分見栄えがするでしょう。
 
 2.02ct 8.0x7.0mm  


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