新着宝石展示室


January 2016   : ナミビアのガーネット ( Namibian Garnets )

Spessartine Garnets and Demantoid Garnet

スペッサータイン・ガーネット(Spessartine Garnets)
2.22ct 8.5x6.5x4.3mm 1.47ct 8.5x6.1x3.3mm
  ナミビア北部のアンゴラ国境に近いクネーネ川流域の砂漠地帯でオランダ人入植者によってスペッサータインが発見されたのは19世紀末のことでした。 
 が鉱山開発前に死亡したために忘れられ、100年後の1990年代半ばに再発見されました。
 このスペッサータインは 84-86mol % のスペッサータインと無色のパイロープ、さらにアルマンダインとグロシュラーとからなります。 
 他の産地のそれと比べると、明るく輝かしいオレンジ色が特徴であり、その色合いから ”マンダリン・ガーネット”、あるいは最初の発見者に因む ”ホラインダイン” と呼ばれ、以後、他の産地の輝かしいオレンジ色のスペッサータインにも ”マンダリン” の呼称が一般的になったほどです。
 が、宝石質の結晶は極めて少なく、当初はカラット当たり500ドルの高値を呼んだほどでした。
産出は1990年代末には絶え、その後市場で本場の ”マンダリン” に出会う機会は殆ど無くなり、今や幻のスペッサータインとなってしまいました。
 今回20年ぶりに出会ったのは、ややインクルージョンが多いものの、紛れもない輝かしいオレンジ色のクネーネ産の ”マンダリン” でした。
 クネーネ産が途絶えた後、濃いシェリー色のスペッサータインがナミビア産として時折市場に姿を見せます。 色合いの違いと、透明度の高さからクネーネとは別の産地と考えられますが、正確な産地情報は不明です。

 
 デマントイド・ガーネット( Demantoid Garnet)

  ナミビアのエロンゴ山周辺の何ケ所で1990年代央以降宝石質のデマントイドが発見され、ほとんど枯渇していたウラル山脈産に代わり、有力な山地として台頭して来ました。
 デマントイドは石灰岩質の地層に花崗岩脈が接触したスカルン鉱床成因で、クロム成分が極めて低く、発色は鉄イオンに因る淡緑黄色で、また、ウラル産のようなホース・テイルインクルージョンもありません。
 ただし、淡色なため、デマントイドに特有の光の分散効果が顕著に見えます。
 1.36カラットのペア・カットのルースも、ホーステイルではない、繊維状のインクルージョンを大量に含みますが、石自体の透明度が高いために、光の屈折による虹色のファイアーが煌めきます。
1.36ct 7.7x6.3x4.3mm


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