新着宝石展示室
(New Gestone Gallery)
July 2021 : タンザニアのスピネル (Tanzanian Spinels)
2.02ct 8.01x7.24x4.04mm 1.74ct 9.0x5.0x4.1mm |
近年美しいスピネルの主要な産地として台頭目覚ましいタンザニアですが、今回入手したのはいずれも紫系統の色合いです。
20年余り昔は、ポー博士が ”究極のバーゲン価格の宝石” とまで述べたほど、一般の知名度が低く、人気のなかったスピネルですが、この10年ほどで、状況は様変わりしました。
現在では、かつては誰も見向きもしなかったような鉄分を含んで赤黒い色合いのスピネルが、ディープ・レッド・スピネルと称してカラット当たり10万円。
コバルトを含むガーノ・スピネルに至っては0.1カラット級でも3万円、1カラットの大きさでは30万円 と、モゴク産の上等なサファイア並みの水準になっています。
ようやくスピネルが市場でまともに評価されるようになったのは、まことに喜ばしいことではあります。
宝石質の大きな結晶が採れないスピネルは1カラット程度のルースが大半ですが、しかし0.1カラットの大きさでは、如何に希少であっても宝飾品としても、コレクションとしても、どうにもなりません。
それでも、20年余り昔と変わらない、手頃な価格水準で結構美しいスピネルが姿を見せると、つい、手が出てしまいます。今回入手したのは紫と紫味を帯びたピンクと、典型的なタンザニア産のスピネルですが、透明度も、カットの水準もなかなかのものです。