新着宝石展示室


July 2025 : アフリカの宝石


 
 Grandidierite 3.22ct  Garnite 0.131ct
Madagascar   Nigeria

マダガスカルのグランディディエライト (Malagasy Grandidierite)
        グランディディエライトは1902年にマダガスカル最南部 で発見された鉱物です。
 その後世界各地で産出が報告されましたが、いずれも鉱物標本級でした。
 宝石質の結晶は2000年に初めてスリランカで発見されましたが、0.29カラットのルースが一個カットされただけの散発的な発見でした。
 2014年になって、ようやくマダガスカル最南端のトラノマロにペグマタイト鉱床が発見され、数百kgの宝石質の結晶が採集されました。
 しかし、カットされたルースの大半は内包物の多い亜透明―不透明な標本級の品質です。
 ごく稀に得られる透明度の高いルースは、稀少価値からカラット当たり100万円を超える高値となっています。
 写真のルースも透明度の低い標本ですが、3.22 カラットと比較的大きく、コレクションに収まった次第です。
  Grandidierite 3.22ct 10.9x8.9x5.4mm   
   Toranomaro, Madagascar  

ナイジェリアのガーナイト (Nigerian Garnite)
        ガーナイトも極めて稀産の宝石で、ごく最近まで、宝石関連の資料には写真すら見かける機会もなかった程です。
 スピネルのアルミニウム成分の大半が亜鉛に置換された成分の鉱物です。(アルミニウムの一部が亜鉛に置換された場合はガーノスピネルと呼ばれます)
 そのため下記の表のように比重や屈折率が普通のスピネルよりかなり高い特性を持っています。
 亜鉛を含むガーナイトは、不透明な暗緑青色の結晶として知られていましたが、透明な宝石質の結晶が発見されたのはごく最近のこと、2018年、ナイジェリアのカドゥナ州で、透明な結晶が発見されました。
 市場で稀に見かけるガーナイトの多くはナイジェリア産ですが、殆どが0.5カラット未満の小さなルースです。
 写真のルースはファセットではなくシュガーローフと呼ばれる、丸みを帯びた研磨が施されています。
  
Garnite 0.131ct 2.47x2.44x1.78mm   
Caduna State, Nigeria   
     
  成分   比重 屈折率 
Spinel   MgAl2O4  3.60  1.718 
Garnospinel   MgZnAl2O  4.01  1.76 
Garnite  ZnAl2O  4.55  1.80 


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