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June 2018 : 紅柱石(Andalusite)



 
0.48 - 0.59ct 
 紅柱石は比較的高温、低圧の変成作用で生成する鉱物です。
Andalucite の名は最初に発見されたスペインのアンダルシア地方に因みます。
 ただしアンダルシアでは宝石質の紅柱石は産しません。
主成分の珪酸アルミニウムが、高温、低圧の変成作用にて生成されるされる鉱物です。
 このような条件は世界中に無数にありますから、紅柱石そのものは珍しい鉱物ではありません。
 しかしながら、宝石質の紅柱石の殆どはブラジル、ミナス・ジェライス州の限られた地域でしか発見されません。
 宝石質の結晶すら、2㎝程度の小さな物がこの数年ほどようやく市場にごく少数姿を見せたほどです。
したがって、これまで宝石質の紅柱石のほぼ全てはブラジル産、他の産地はごく稀にスリランカ産の小さなルースを見かけるのみでした。
 が、近年、ようやくインドとアフリカ産の小さいながら、ブラジル産に匹敵する紅柱石が登場しました。


インドの紅柱石(Indian Andalusite)
     インド産との表記のみで、正確な産地は不明ですが、おそらくはオリッサ州か、隣接するアーンドラ・プラデシュ州のペグマタイト地帯産と思われます。
 やや淡い色合いですが、透明度の高いルースです。
 紅柱石はアレクサンドライトのような顕著な色変わりを見せる宝石です。 
 ただし、これは結晶軸の異なる方向にて色の吸収が異なるために起こる現象で、太陽光と白熱光との光の周波数の違いで起こるアレクサンドライトの色変わりとは異なります。
 0.48ct 6.5x3.2mm  0.58ct 6.8x3.8mm  
 

アフリカの紅柱石(African Andalucite)
      この二つのルースの詳細な産地もアフリカ産としか分かりませんが、おそらくはマダガスカル産と思われます。
 この二つのルースに限れば、ブラジル産によく似た色合いです。
 インド産も含め、1カラット未満の小さなルースですが、ブラジル産でも大半が1カラット程度、稀に大きなルースでも3カラット程度というのがアンダルーサイトの標準の大きさなのです。
 
 0.59ct 7.0x4.2mm  0.50ct 5.9x4.0mm  


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