新着宝石展示室(New Gemstone Gallery)
June 2024 : アクアマリン(Aquamarines)
4.34ct | 5.55ct |
アフリカのアクアマリン (Aquamarine from Africa)
かつて、60年以上昔のことでしたが、鉱物採集を始めたころ、緑柱石の結晶は垂涎の的でした。
当時、日本各地のペグマタイト鉱床で、宝石質の緑柱石の結晶を産していたのは、茨城県、真壁にある花崗岩の採掘場でした。
宇都宮の我が家からは片道60㎞の舗装もしてない砂利道を変速機もない自転車で4時間かけては何度となく通って、ようやく 1㎝ 余りと小さいながら、宝石質の結晶を探し当てた時以来、宝石結晶採集への道のりが始まった次第。
したがって、美しい結晶やルースに出会った時は思わず手が出てしまいます。
写真はアフリカ産としか分かりませんが、内包物が無い、素晴らしく透明度が高く、見事なカットのルースです。
そして緑味を含まない、濃い水色のが印象に残ります。
こういう結晶を産するのはモザンビークかタンザニアですが、タンザニア産と素性の分かった手持ちのブルー・ベリルに似ているので、とりあえずタンザニア産と決めました。5.55ct 18.11x8.82x6.94mm Tanzania ?
ブラジルのアクアマリン (Brazilian Aquamarine)
ずいぶん昔に新宿の宝石フェアで入手したブラジル産のアクアマリンです。
現在なら、サンタ・マリア級として特別扱いされる、色の濃いルースですが、
30年昔はそんな呼称もなく、ただのアクアマリンとして12万円で売られていました。
いくら何でも、当時の相場からすると高すぎると、通り過ぎて、やはり気になったので戻ってよく見たら1万2000円だったので直ちに入手したもの。
我がコレクションのアクアマリンの中でもひときわ美しいものです。
近年は、アウイン、ユークレース、ベニト石、グランディディエライト等々、稀少な青い色のルースにカラット当たり数十万もの法外な値付けが罷り通っています。
さらに、アクアマリンの結晶にもどうかと思うような値付けがされています。
それと比べると、ルースの値段は同じ大きさの結晶並みという不思議な事態になっています。
実はごく最近入手した前述のアフリカ産のルースも1万2000円と極めて妥当な水準でした。
4.34ct 11.6x5.5x6.0mm Brazil