新着宝石展示室
( New Gemstone Gallery)


March 2022 : 稀少な宝石 (Rare Gemstones)


 
  Sillimanite    Diaspore Strawberry Quartz     Quartz
  Srilanka  Afghanistan  Africa 

スリランカの珪線石 (Srilankan Sillimanite)
      珪線石 (シリマナイト)はスリランカの特産といってもよい宝石ですが、スリランカでも大量に採れるわけではなく、年に1~2個姿を見せる程度の稀な宝石です。
 とりわけ美しいわけではなく、珍しさが取り柄の宝石ですが、この淡い黄色のルースは初めてなので、コレクションに加わった次第です。
 2.005ct 9.7x7.8x3.7mm  

アフガニスタンのディアスポール (Afghan Diaspore)
     
1.095ct 8.1x5.4x3.4mm  Faceted Stones : 0.57 - 1.60ct  Rough crystals : 4.15 - 17.52ct 
Kama Goshta Dist. Nangarhar Province, near Jalalabad Afghanistan
  宝石質のデイアスポールはこれまでトルコが唯一の産地でした。
2020年の2月に、新たにアフガニスタンにて発見されたという情報が出て間もなく、2021年央頃から、淡いピンクのファセットされたルースが市場に姿を見せ始めました。
 大半が1カラット前後の小さなルースですが、なかなかきれいなものです。
このピンクの色合いは、ごく最近トルコの産地からも、ほぼ似たような色合いの結晶が採掘されるようになっています。
 ただしトルコ産は白熱光で淡紅色に、蛍光灯では淡緑色へとアレクサンドライト効果を見せますが、アフガニスタン産はこのような色変わりを示しません。
 トルコのディアスポールは微量のクロムによる発色ですが、アフガニスタン産のピンクの発色は
恐らくマンガンに因るためと考えられます。


水晶 (Quartz)
         ストロベリー水晶として姿を見せたピンクの水晶は鱗鉄鉱(Fe3+O(OH)
の微細な結晶を内包することで淡く色づいているものです。
 従来カザフスタンに産したストロベリー水晶は赤鉄鉱が大量に入っていて
透明度が失われてしまっていたのですが、今回アフリカ産として姿を見せた
ものは鱗鉄鉱の結晶がほどほどの量で入る、なかなかきれいな標本です。
 もう一つの水晶は、このおまけにいただいたもの。
ありふれた無色透明な水晶ですが、余りにもにもありふれていて、ルースとして
カットされるのは、100カラットを超えるようなもの、あるいは紫、金色、煙水晶等、
特別な色合いの水晶が大半です。 したがってただの無色透明な水晶を
見かけることは滅多になく、今回初めて標本としてコレクションに収まりました。
 
2.03ct 11.9x7.7x4.5mm   3.10ct 9.9x9.7x6.0mm  


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