新着宝石展示室
(New
Gemstone Gallery)
|
1.18ct
6.7x5.9mm |
1.29ct
6.4x5.6mm |
1.80ct 7.5x6.3mm |
Srilanka |
Mogok,
Burma |
Mae-sai,
Thailand ?? |
|
|
|
1.18ct
Srilanka |
1.29ct
Mogok |
1.80ct
Mogok |
これらはいずれも代表的な色合いのスピネルですが、1.8カラットの赤紫色はタイのメーサイ産とのことでした。
タイでは真っ黒なスピネルを産しますが、宝石質を産するとは初耳で、しかもメーサイという産地も初めてでしたが、ともあれ新しい産地が発見されたのかもしれないと、入手したものです。
よくよく調べてみると、メーサイとはビルマとタイの国境の街で、ビルマからタイへの宝石の流通の本拠地とのこと。
ビルマが軍事独裁政権で経済制裁下にあった当時、その抜け道としてビルマ産のルビーや翡翠等の宝石の密輸拠点として大いに発展したようです。
島国の日本では考えられないことですが、中南米や東南アジアの国々では地続きの国境の町での警察や税関の取り締まりは殆どありません。
人種も言葉も同じ人々が、生活のために、両国間を毎日自由に行き交って暮らしています。
メーサイはその典型のような町で、グーグルマップで見ると、ビルマとタイとをまたいで両国に拡がっていますから、検問や密輸の取り締まりなど到底不可能、というのが分かります。
そんなわけで、赤紫色のスピネルは紛れもなくビルマ産のスピネルでした。
1.18カラットの青紫色のスピネルは、スリランカ産として、タダ同然の値で同時に売られていたので、つい買ってしまったもの。
中央は、近年ようやくその美しさが認識されてきたスピネルの中でも、とりわけ人気が高いモゴクのルビーのような赤いスピネルです。
この色合いであれば、本来ならカラット当たり数万円の値がついても不思議ではありませんが、どういうわけか桁違いのカラット当たり数千円と、並みのスピネルの水準でした。
入手して、じっくり調べてみましたが、僅かな内包物こそあれ、なかなか見かけない、素晴らしく魅力的な色合いのスピネルです。