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May 2025 : アフリカのヘソナイト (African Hessonaite


 
 2.20ct 7.92x6.49x7.74mm 1.39ct Ø6.5x4.1mm 
屈折率 : 1.734 屈折率 : 1.742
 Namibia Madagascar 

   写真のガーネットはいずれもスペッサータイン・ガーネットとしてネット市場に出品されていたものです。
 ガーネットの種類を肉眼だけで判断することは不可能です。
まして写真では、最近のネット市場では、宝石も複数の写真が見られ、さらに細部を拡大して見ることも出来ますが、それでも正体を確認するためには入手して調べるしかありません ;

ナミビアのガーネット

 
 2.20ct 7.92x6.49x4.74mm

 このガーネットはナミビア産のスペッサータインとして出品されていました。
ナミビアのスペッサータインは、クネーネ川で採れる金色の“マンダリン・ガーネット”が
世界の数あるスペッサータインの中ではサン・ディエゴのリトル・スリー鉱山産やパキスタン産と共に最も美しく、最上品はカラット当たり500ドルと破格の値付けがされている程です。
 しかし、写真のガーネットは赤みが強く、どう見てもスペッサータインには見えません。
 値段もカラット当たり1000円以下と破格の安値でしたから、一体何なのか入手して調べてみました。
 ガーネットは専門家なら成分分析をしますが、高度な分析機器が無くても殆どは屈折率と比重の測定という古典的な手段で調べられます ; 屈折率の測定結果は 1.734 と、スペッサータインの 1.810 からははるかに低く、色合いから、グロシュラー・ガーネットに属する、ヘソナイトが主成分のガーネットと判断しました。 

マダガスカルのガーネット

   
 1.39ct Ø6.5x4.1mm

 これはマダガスカル産のスペッサータインと表示してあり、確かに色だけからはスペッサータインかもしれないと、実はマダガスカル産のスペッサータインは一つしか持っていなかったし、カラット当たり700円と、破格の値段で格好の出物と入手した次第です。
 早速屈折率を測ったところ、1.742 と、どう考えてもこれはグロシュラーの仲間のヘソナイトと判断しました。
 スリランカ産のグロシュラーには、一見スペッサータインと見間違うようなヘソナイトがあったと、改めて思い出した」次第です。
 


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