新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)
May 2025 : 藍晶石 (Kyanite)
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Srilanka 2.03ct | Brazil 3.68ct | Nepal 3.23ct | Brazil 2.00ct |
ネパールの藍晶石 (Nepal Kyanite)
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3.23ct 12.05x7.87x3.70mm |
カイアナイトは薄い平板上の結晶の内部に亀裂や内包物を多く含むためルースの多くは透明度が失われる例を見かけます。
しかし、20年ほど昔に登場したネパール産は内包物が少なく透明度が高い、サファイアを偲ばせるカイアナイトの産地として注目を集めました。
カイアナイトの青はサファイアと同じ、鉄とチタンイオン、二価と三価の鉄イオン間の電荷移動による発色ですから、最上級のサファイアと見間違えるような、数カラットの大きなルースが手頃な値段で出回ったためです。
今回入手したのは、青ではなく、かなり濃い緑色のルースです。
淡い緑色のカイアナイトはタンザニアやマダガスカルでも産しますが、ネパールからは内包物こそあるものの、濃い緑の発色が印象に残ります。
スリランカのカイアナイト (Srilanka Kyanite)
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2.03ct 8.69x6.78x3.48mm |
世界屈指の宝石産地であるスリランカですが、どういうわけかカイアナイトだけは滅多に採れないようです。
スリランカ産の宝石資料の何処にもカイアナイトは出てこないし、当然のことながら、写真すら見たこともありませんでした。
ほぼ同じ成分からなる同質異像の紅柱石と珪線石のルースは見かけますから、当然藍晶石も生成したはずですが、恐らく宝石質の結晶が出来なかったということでしょう。
したがって、スリランカ産のカイアナイトには驚かされました。
しかも内包物がなく透明度の高い、素晴らしい色合いのルースです。
ネパール産の最上級のサファイアを偲ばせる濃い青ではありませんが、しかし最上級のアクアマリンのような、初めて見るスリランカ産のカイアナイトです。
ブラジルのカイアナイト (Brazil Kyanite)
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3.68ct 13.8x8.3x2.9mm | ||
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2.0ct 8.2x6.2x4.1mm | Kyanite in Quartz 22x21x12cm |
無数のペグマタイト鉱床があるブラジルでは藍晶石の美しい結晶を産します。
しかしながら、宝石としてカットされたカイアナイトは極めて稀です。
20㎝を超える大きな結晶でも、厚さが1cm足らず、そのうえ内包物を多量に含むため、殆どカットに適さないためです。
40年余りコレクションをして来て、標本級でしかない水準のルースを4個入手したのみです。
写真の2個ルースは、ごく最近ようやく巡り合った、小さいながら宝石質のルースです。