新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


November 2023 : ブルー・サファイア(Blue Sapphires)


 
ナイジェリア、スリランカ、タンザニアとフランスのサファイア 

ナイジェリアのサファイア (Nigeria Sapphire)
       
 1.24ct  7.0x5.0x3.0㎜  カメルーン国境近い産地情報 漂砂鉱床産のサファイア水摩礫 104ctの結晶 
  ナイジェリアでは1970年代頃から中央のジョス高原でアルカリ玄武岩起源のサファイアを産するという情報がありましたが、写真すら見る機会がなく、結晶標本も、カットされたルースも市場に姿を現すことはありませんでした。
 最近になってようやく、カメルーン国境に近いタラバ州のマンビラ高原にて、やはりアルカリ玄武岩起源のサファイアが漂砂鉱床で採掘され、カットされたルースがごく稀に市場に出てくるようになりました。
 1.24カラットのルースは内部に色むらがありますが、アルカリ玄武岩起源としては、何とか宝石質の品質といえる水準です。
 写真のように、かなり透明度が高く、加熱処理をしなくても、宝石としてカット可能な結晶が漂砂鉱床から水摩礫として採れる様です。
 104カラットの宝石質の結晶もアルカリ玄武岩起源としては、異例の大きさです。

フランス・オーヴェルニュのサファイア (Sapphire from Auvergne, France)
       フランスの中央高地と呼ばれるオーヴェルニュ地方はジュラ山脈やアルプス地方と並ぶ、風光明媚な土地です。
 ここには火山性のアルカリ玄武岩によって運ばれたサファイアが漂砂鉱床で採れます。
 が、個人が趣味で採集しているものが稀にカットされて市場に姿を見せるくらいで、最近ではルースが5年~10年に一度くらい姿を見せる程度の稀少なものです。
 写真のルースはごく小さなものですが、変成岩起源のスリランカ産と比べて見劣りしない、美しいものです。
 
  0.26ct 4.2x3.5x2.3mm  

スリランカのサファイア(Srilanka Sapphire)
      このサファイアは上質のルース専門のネット宝石商が扱っていたものです。
 産地不明、小さいながら、最上のロイヤル・ブルーを思わせるルースが 破格の値段で出ていたので入手したものです。
 この色合いは、どう見てもスリランカ産の宝飾品級のサファイアには違いありません。
 肉眼では気が付きませんが、しかし拡大してみると、左側表面近くにやや大きな内包物があります。
 宝飾品に仕立てて、実用上は全く問題ないのですが、宝石商としてはこの内包物ゆえに、ほぼ捨て値で売り捌かざるを得なかったということなのでしょう。
 1.14ct 6.6x5.4x3.4mm  

タンザニアのサファイア (Tanzania Sapphires)
         タンザニアのウンバ川流域の漂砂鉱床で採れるサファイア
は、変成岩起源と考えられています。
 個々のサファイアは多彩な色合いのファンシー・サファイアが
大半を占めることが特徴です。
 今回入手したのは、珍しくブルー・サファイアで、実はウンバ川
産のブルー・サファイアは初めてです。
 余り上質とは言えませんが、変成岩起源の澄んだ色合いの
サファイアです。
 
 
 0.69ct 5.9x4.9mm 0.72ct 5.9x4.9mm   


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