新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)
October 2010 : 金緑石 (Chrysoberyls)
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| クリソベリル(Chrysoberyl) | アレクサンドライト(Alexandrite) |
| 1.35ct 6.7x5.8x4.8mm | 0.42ct 5.0x4.8x2.9mm |
| Ural Mtns. Russia | Srilanka |
ロシアの金緑石(Russian Chrysoberyl)
金緑石は18世紀から19世紀にかけてスペイン、ポルトガル及び英国のヴィクトリア、エドワード朝時代に最も人気のあった宝石でした。 稀少で高価なため、見事な細工が施された高級なアンティークの宝飾品に時折見かけます。
またルビーやサファイアに次ぐ高いモース硬度を持つため、時計の軸受け等の用途にも使われました。
現在、金緑石はブラジル、スリランカ、マダガスカル等が主要な産地です。
ロシアのウラル山脈もかつては主要な産地でしたが、今日ではほぼ絶産となっています。
したがって写真のルースは小さいながら、素晴らしく透明で金色の煌きを放つ古典的な産地の貴重な標本です。
スリランカのアレクサンドライト (Alexandrite from Srilanka)
1830年にウラル山脈で発見され、時の皇帝に因んで命名された宝石がアレクサンドライトです。これは金緑石に0.6%程のクロムが含まれる変種です。極めて稀にしか採れませんが、自然光ではエメラルドのような輝かしい緑に、また白熱光ではルビーのような赤と、鮮やかな色変わりを示す石は最も高価な宝石となります。
アレクサンドライトの主要な産地の一つであるスリランカのものは、しかし大半が不純物の鉄やチタンの濃度が高く自然光では褐色を帯びて見えるため市場価値は著しく低くなります。
写真の標本はブラジルやウラル山脈産の最上級を偲ばせる色合いの、スリランカ産としては空前絶後の標本と言っても過言ではありません。
白熱光では合成アレクサンドライトのような赤紫に変わります。自然光 白熱光
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