新着宝石展示室
（New Gemstone Gallery）

October 2019 :　トルマリン（Tourmallines）

グリーン・トルマリン・リング（Green Tourmaline Ring）

　ありふれた緑のトルマリンで、おそらくブラジル産と思われますが、緑のトルマリンによく見られる褐色味を帯びてない爽やかな緑が印象に残ります。
　全く内包物の見られない結晶を繊細にバランス良く仕上げたカットも見事。
こういうルースは実はありそうでなかなか見かけません。ツーソン・ショーの高級宝石商専門のブースにしか置いてないような最上級品であり、それを手作りの枠で仕上げた注文品だったと考えられます。
　近年、こういうものが宝石市場に還流して、普通なら到底手の届かない品が手頃な価格水準で入手できるようになったのは嬉しい限りです。

モザンビークのトルマリン（Mozambique Tourmalines）

2.80ct 8.8x7.7x6.3mm		1.22ct 8.9x3.8x3.4mm

　この数年、ルビー・サファイア、トルマリン等々、アフリカ産のカラー・ストーンが宝石ルース市場を席巻するようになっています。
　とりわけモザンビークからはルビーと多彩な色合いのトルマリンが大量に供給されています。
写真のトルマリンは、いずれも内包物がある標本級ですが、多彩な色合いとカットのコレクション用としては嬉しい標本です。しかもカラット当たり10ドルという水準には驚かされます。
　30年余り昔のツーソンでの数倍から10倍もした値段は一体何だったのだろうかと、そして現在、アフリカでこれらの原石を掘っている鉱夫たちが手にする報酬はどれほどなのかと考えてしまいます。