新着宝石展示室
(New Gemstone Gallery)


October 2023 : コレクター・ストーン (Collector Stones)


 
 Zircon
1.61ct
 Apatite
0.81ct
Enstatite
1.46ct
 Apatite
0.275ct
Sillimanite
1.25ct
 Chrome Diopside
1.24ct
 Tanzaia  Brazil  Madagascar   Tanzania  Russia

タンザニアのジルコン (Tanzanian Zircon)
         アフリカ産のジルコンには濃褐色のものが多く、標本級でしかありませんが、タンザニアからは、近年、赤味がかかった宝石質のジルコンが出現しました。
 カンボジア産の加熱処理で美しい青になるジルコン以外を宝石店で見かける機会は全くなってしまいましたが、この色合いなら、宝飾品としても使えそうです。 
1.61ct 7.30x5.37x3.64㎜   

ブラジルの燐灰石 (Brazilian Apatite)
     ピンクの燐灰石は、アフガニスタンやパキスタンから美しい結晶を産しますが、大半は結晶標本としてかなりの高値で稀に市場に出るのみです。
 一方詳細な産地は不明ですが、ブラジルからはカットされたルースが、時折姿を見せます。
 燐灰石〖Ca5(PO4(F,Cl,OH〗には主成分ではありませんが、常に弗素と塩素と水酸基とが含まれます。 
 この弗素原子の一部が欠落することがあり、その空隙に電子が捕獲されると、結晶内の電磁的なバランスが崩れて光の吸収が起こります。
 ピンクの発色はこうした仕組みで起こることが1979年に解明されました。
 
0.81ct 6.51x4.08x3.66mm   

マダガスカルの頑火輝石 (Malagasy Enstatite)
        頑火輝石 (Enstatite : Mg2Si2O6) は純粋な結晶は無色で、実際スリランカ産の無色や淡いピンクのルースがコレクションにありますが、一般に、鉄やチタン等の不純物をかなり含んだ濃褐色で不透明な結晶が大半です。
 写真のルースは微量の鉄を不純物として、淡い緑色を示すルースです。 
1.46ct Ø7.32x3.86mm   

マダガスカルの燐灰石 (Malagasy Apatite)
      燐灰石はモース硬度が5と低く傷つきやすいため、かつてはコレクターのみのいカットされる、典型的なコレクターの宝石でした。
 が、ブラジルとマダガスカル産の青い色合いのアパタイトは、ブラジルのパライバで発見されたネオン・ブルーのパライバ・トルマリンとそっくりの色合いであり、はるかに手ごろな値段なので人気が出て、今では宝飾品として扱われるようになりました。
0.275ct Ø4.29x2.44mm   

タンザニアの珪線石 (Tanzanian Fibrolite )
        珪線石も典型的なコレクター宝石です。
写真の淡い金色の珪線石はタンザニア産ですが、スリランカからも見分けがつかない程よく似た色合いの珪線石が水摩礫として採集されます。
 
 
 1.25ct 8.09x5.53x3.70mm  

ロシアのクロム透輝石 (Russian Chrome Diopside)
         透輝石も典型的なコレクター宝石として世界各地から淡緑色や無色透明な結晶がルースとしてカットされて市場に姿を見せます。
 南インドからは十字のスターを見せるカボションカットのものが大量に採れます。
 ロシアとブラジルからはクロム発色の濃いエメラルド色のクロム・ダイオプサイドが採れ、稀に宝飾用に使われます。
 写真のルースは比較的に透明度が高い、エメラルドのようなルースです。
 
 1.24ct 8.12x6.15x3.24mm  


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