新着宝石展示室
（New Gemstone Gallery)

September 2009 : スピネル　(Spinels)

スリランカのスピネル (Srilankan spinels) 0.90 - 4.34ct

2.30ct 8.10x7.15x5.15mm	4.34ct 10.75x9.25x5.20mm	0.90ct 7.30x6.20mm
Srilanka

　稀少で余り市場に出回ることもなく、ルビーを思わせる真紅や濃いピンク以外の色は依然として人気薄のスピネルですが、美しく魅力ある宝石です。
　今回はいずれもオークションで見つけた素晴らしく魅力的なルースを、国際的な相場と比較しても遥かに低い値段で入手しました。

　最初の2.3カラットの赤紫の石は拡大した写真でこそ包有物がやや目だって見えますが、肉眼では透明で素晴らしい煌きを放ちます。
　次の青い石はスピネルとしては異例の４．３４カラットの大きさで魅力的な深い色合いです。
肉眼では分かりにくいのですが、拡大するとテーブル面にごく小さな窪みがあります。
　恐らくかなり大きな包有物がカットの際に欠け落ちた跡でしょう。
さらにテーブル面を囲むガードル面の下にも何箇所か包有物が見えます。
　カットの技術も最上とは言えません。そんなわけで宝飾用途には向かないとして格安でコレクション用に放出されたと考えられます。
　最後の0.9カラットの石は全くの無傷で透明な美しいルースです。
が、小さい上に変形の５角形では宝飾用途には売れません。
　止むを得ず１個３００円と捨て値で売りに出された次第です。

　と、いずれも訳ありのルースなのです。包有物や些細な傷等は肉眼では全く気になりません。
これがルビーやサファイア、エメラルドであったなら堂々と高級宝飾品として通用するでしょう。
　惜しむらくはスピネルという、知名度が低い宝石であるために些細な難点を理由に叩き売られてしまったのです。
　が、それはコレクターには願ってもない機会でありました。

　Except ruby-like red and deep pink color, spinel is the least popular gemstone, despite it's beauty.
I had oppourtunity to encounter charming spinels through net-auction at extremely low price levels.

First reddish purple 2.3 carat stone is quite transparent and brilliant with unaided eye, while magnified photo shows slight inclusions. 2nd deep blue stone is extremely large as spinel. Although it looks almost perfect through naked-eye, magnified view reveals small hollow on table and several inclusions beneath girdle faces. And the general cutting skil is slightly poor. The 3rd purple stone is perfect without inclusion. But a small stone with irregular pentagonal form is not suitble for jewelry purpose.

　So far these three faceted stones with minor faults were sold at dumping price for collectors, only because they are unpopular spinels.