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September 2022 : キュービックジルコニアとモアッサナイト (Cubic Zirconia and Moissanite)


 
モアッサナイト(1.73ct) とキュービックジルコニア (0.96 - 855ct)

キュービックジルコニア (Cubic Zirconia)
   
Cubic Zirconia 855ct  Ø50.20x30.50mm
  キュービックジルコニアはスカルメルト法と呼ばれる、3000℃の高温で酸化ジルコニウムを溶融して得られ結晶です。

1970年代央に量産技術が確立され、ダイアモンドに最も近い合成宝石として、今日では年間10億カラットも生産されています。
 30年ほど昔に、1カラットのルースが100円程度と破格の値段でしたが、最近ではアマゾンで855カラットもの巨大なルースがカラット当たり10円というガラス並みの値段で売られています。
 アマゾンの値段は、他のルートで入手してから気が付いたのですが、どの業者であれそれほど大きな値差があるわけではなく、全く気泡や亀裂等の内包物の無い、直径50㎜もの巨大なルースが得られるほどの完全無欠の結晶が、唖然とするほどの低コストで製造されるまでになったのかと感慨深いことです。
 値段からして、まず中国四川省、悟州の合成宝石の一大工場群にて生産とカットが行われているかと考えられます。

 
 11.08ct
Ø12.07x7.17mm
3.66ct
Ø8.07x5.14mm
2.22ct
Ø7.11x4.08mm
1.325ct
Ø6.03x3.35mm
0.96ct
Ø5.03x3.38mm

 これらのルースは前述の855カラットのルースのおまけについてきたものです。
20カラット近いルースがおまけに付けられるのですから、その原価たるやただ同然ということなのでしょう。
モアッサナイト (Moissanite)
  炭化珪素(SiC)の結晶は、一般にシリコン・カーバイド、あるいはカーボランダムの商品名で超硬工具やエレクトロニクス、最先端技術用の素材として年間100万トン、10億ドルもの生産量があり、5年後にはさらに倍増すると言われている素材です。
 この素材がダイアモンドに最も近い特徴を持つ宝石結晶となる可能性が指摘されたのが1900年代央、そして20世紀末にようやくダイアモンドの代替品として登場しました。
 しかし、当初は最大で0.5カラットの大きさで濃い青や緑に着色したルースしか得られませんでした。
 1カラットを超える無色のルースが登場したのは2010年頃でカラット当たり400ドルと、合成ダイアモンド並みの高価な水準でした。
 しかし2016年頃には高品質結晶の量産技術が確立されたのでしょう、1カラットの無色のルースがカラット当たり1000円と値下がりしました。
1.73ct Ø8.0x4.7mm


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