アジアとアフリカのオパール
(Asian & African Opals)
アジアとアフリカのオパール 0.97 − 13.80ct (Asian and African opals) |
エチオピアの新産地のオパール 0.285 - 2.75ct (Opals from new mines of Ethiopia) |
アジアからアフリカの広大な地域には世界有数の宝石産地が数多くあって多様な宝石を産出します。
が、唯一オパールについては不毛の土地と言えましょう。オーストラリアを除けばめぼしいオパールの産地はありません。
オパールそのものは決して珍しくはなく、至る所で発見される鉱物です。しかしながら宝石質オパールの産地が限られているのは、微細なシリカ球が整然と並んで沈殿するような条件が非常に稀にしか起こらないことを示すものです。
アジアとアフリカでは数ヶ所で宝石質のオパールの産出が報告されています。いずれも産出量はごく僅かで、一般宝石市場はもちろん、世界的な鉱物フェアで見かける機会も稀にしかありませんでした。
が近年アフリカのエチオピアでオーストラリアやメキシコに匹敵する高品質のオパールが発見され注目を浴びています。
アジアのオパール(Asian opals)
ロシアのオパール(Russian opals)
メキシコ産とそっくりのファイアー・オパールがカムチャッカ半島から報告されています。
カムチャッカ半島は世界で有数の火山地帯ですから、後述のインドネシアと同様に
メキシコの火山起源の熱水成因のオパールに似たものが発見されても不思議ではありません。
詳細な産地や産出量等は不明です。
同様のオパールはカザフスタンからも報告されています。27mm Kamchatka Peninsular, Russia
パキスタンのオパール ? (Pakistan Opal ?)
2.00ct 9.0x5.2mm | 4.98ct 13.0x9.9mm |
R.I.:1.550 S.G.:2.424 | R.I.: 1.546 S.G.: 2.546 |
Shigar Valley, Pakistan |
ペグマタイト性の宝石産地で名高いシガール渓谷産の玉滴石(ハイアライト・オパール)として入手しました。
シガールのオパールについては初耳ですが、ハイアライトはしばしばペグマタイトに産しますから、無数のペグマタイトがあるパキスタンからファセット・カットが出来る透明度の高いものが発見されても不思議ではありません。
調べてみるとパキスタン各地では装飾用途の瑪瑙や玉髄、碧玉等を豊富に産出しているとのことです。 疑問符をつけたのは、比重がやや水晶より低いものの、屈折率は水晶と同じ値が得られたためです。
ハイアライトも水晶も組成は二酸化珪素(SiO2)で同じですが、ハイアライトは結晶ではなく非晶質という違いがあります。
正確なところは専門家によるX線等を駆使した構造の分析が必要です。
石英系の鉱物は、豊富に存在する珪素と酸素との組み合わせの単純な組成ながら、或いはそのために0℃ - 数百℃の温度と常圧から超高圧までの広範な条件下で多彩な種類が生成されます。
したがって、この二つのルースは石英系の鉱物には違いないのですが、そのうちのどれなのかを正確に見極めるのは実は簡単ではありません。
測定値から推定すると微細なハイアライトや燐珪石等を含んで霞がかかっているように見える水晶かと思われます。 が外見からはハイアライト・オパールと呼んでも誤りとは言えません。何故ならオパールは多様な条件下で生成する鉱物です。比重が1.9 - 2.3、屈折率は 1.47 - 1.57と広く、水晶、玉髄、クリストバル石等々、他の石英族の鉱物と共生し、或いは一部が他の石英族の鉱物に置換されている例が多々あるためです。
インドネシアのオパール(Indonesian Opal)
火山性のオパール 2.55 - 48ct | 1.84ct 9.0x7.3x5.3mm |
Bentan, Java Island | Maja, Bantaen Province, Sulavesi |
Indonesia |
インドネシアではスマトラ島西部のBangkula地方、ジャワ島西部のLabak地方とスラウェシ島最西南部の Maja で宝石質のオパールが発見され、数十年前から採掘されていたようです。
いずれも新生代第三紀から四紀の新しい時代の火山性のオパールで、砂岩や粘土質の堆積の中に発見されます。
現在商業的な採掘が行われているのは、ジャカルタから西に100km程のLabak地方で10ヶ所ほどの鉱山があります。
ジャワ島のオパールはその褐色を帯びた地の色合いから ”Tea Opal” と呼ばれます。
オパールは基本的に赤みを帯びた強い遊色を示すハイドロフェーンですが、興味深いことには遊色が水に浸すと消えるタイプであるということです。これは他の地域のハイドロフェーンとは逆の現象でが、宝飾品としては好都合です。
ブラック・オパールも1ヶ所から採れますが、非常に不安定で宝飾品には使えないようです。
産出量は少なく、年間1000カラットほどとのことですから、市場で見かけることはまず無いでしょう。
大半はバリ島やジャワ島にある高級リゾートホテルの宝石店で売られているとのことです。
アフリカのオパール(African opals)
シェワ地方、メゼゾのオパール(Opals from Mezezo, Shewa)
標高2450mのオパール産地 | オパールを含む団塊 径10cm | 63gのオパール団塊 |
Mezezo, Sheva Province, Ethiopia |
2.15 - 7.52ct | 4.77ct Ø13.2x5.0mm | 乾燥して割れてしまった破片 | 2.30ct 11.0x9.0x4.9mm |
1993年半ば頃にケニアの宝石市場にエチオピア産のオパールが姿を見せました。
オパールが発見されたのはエチオピアの首都アディ・アベバから北東に160km、アフリカ大地溝帯の西側のシェバ地方の標高2450mの高原地帯です。一帯は農地ですが、オパール鉱床への道は10年前の洪水で流されてしまったままなので、ロバが通れるだけの道を行くかあるいは空からヘリコプターで行くのみです。
オパールは800〜2700万年昔の中新世時代に噴出した300〜400mの厚さの流紋岩の堆積に半ば黒曜石化した平均10cmほどの大きさの凝灰岩の団塊の中に発見されます。オパール団塊は7km四方の範囲に12ヶ所の鉱床があって簡単に手作業で掘り出される深さに発見されます。
団塊からは平均して1%の濃いチョコレート色の地に鮮やかな緑や赤の遊色を示す部分と、15%程度の遊色を示さないが、メキシコのファイアー・オパールのような無色やオレンジの透明な宝石質のクリスタル・オパールとが得られ、残りの大半は不透明なコモン・オパールです。透明なクリスタル・オパールには顕著なコントラ・ルス効果(透過光で遊色を示す)を見せるものがあります。
屈折率は1.40〜1.45.比重は1.35〜2.08とばらつきますが、これは静水法による測定で吸水性が大きいものがあるためです。
吸水が無いものの比重の平均は1.87〜2.03、透明なオパールの多くは比重が2.0以上です。
一般に火山性のオパールは不安定で、空気中でのひび割れが起きやすいのが特徴です。 写真の4.77ctのオパールは3年と持たずに割れてしまった例です。
宝石店の店頭で展示されるのを想定した照明で光と熱に曝したテストでは24時間で罅が入った例がありました。
しかし11〜18%と高い含水率の半透明のオパールでは目だった罅が出なかった例もある等、個々の石毎に安定性が異なります。
いずれにせよオパールは脱水によるひび割れが起きやすい宝石ですから、保存には乾燥を避ける配慮が必要です。
現在はアメリカとエチオピアの合弁企業が採掘に当たっています。20人以下の鉱夫による手作業の採掘なので、少量ながら安定した数量が市場に流通し始めています。
ウェロ地方ウェゲルテナ村のオパール
(Opals from Tsehay Mevcha, Wegel Tena Village, Wollo Province)
オパール鉱山( Opal mines ) » オパールを産するのは標高2780mの一層のみ
(The opal deposit consists of a thin horizontallayer in the cliffs above a canyon,
located 350m below the top of the plateau)オパールの採掘状況
(Opal mining with rudimentary tools)
溶結凝灰岩礫中のオパール産状
(Opal in volcanic rock debris)稀なチョコレート色のオパール 965g
(Rare Chocolate color opal)1.58ct 8.0x7.7x7.0mm 5.04ct 15.7x9.3x11.8mm 7x5x3cm 105g Natural History Museum Collection
Nantes, FranceWegel Tena
中央のカボション
41.70ct (Round cabochon in center 41.70ct) |
7.55−23.48ct | 9.12ct 19x17mm | 8.19ct 特有の柱状構造の遊色 |
0.97ct R.I. 1.463 S.G. 1.843 |
1.28ct 11.0x6.5mm R.I. 1.422 S.G. 1.816 |
1.28ct⇒1.34ct | 0.97ct⇒1.02ct | 浸水前 (before soaking) | 浸水後 (after soaking) | |||||
3.96/4.68ct | ||||||||||
0.285ct 6x4x2mm | 1.44ct 9.0x5.7x4.4mm | 1.54ct 13.6x10.8x3.5mm | 2.28ct 11.0x8.9x4.9mm | |
ハニカム構造を示すオパール (Opal with honeycomb structure) 2.75ct 12.48x8.03x6.7mm |
砂糖液と酸処理ブラック・オパール (Sugar & acid treated black opal) 1.4ct 10.5x7.4x4.4mm |
0.87ct 8.6x5.7x4.6mm | 0.88ct 8.1x7.9x4.4mm | 1.34ct 8.8x6.9x4.9mm |
1.63ct 10.0x6.7x2.9mm | 1.64ct 10.7x7.4x4.8mm | 24ct 28x15x12mm | 2.29ct 11.0x8.0x4.9mm |
2008年初頭に前述のMezezo から北に200km、首都アディスアベバの北方、凡そ550kmにあるWegel Tena 村の北西17kmのTsehay Mewchaと呼ばれる標高3200mの高地にオパールが発見されました。
オーストラリアやメキシコ等を偲ばせる遊色を見せるもの、ファイアーオパール、ハイドロフェーンと実に多様な宝石質のオパールの新産地として注目を集めています。
ハイドロフェーン・オパールは水に浸すと遊色が消えて、完全に透明になります。また吸水して重さが増えます。
地質と産状(Geology and occurence)
Wegel Tena 地方は厚い火山性の堆積物で覆われています。風化した玄武岩と流紋岩性の火山灰の堆積からなるイグニンブライト( Ignimbrite : 溶結凝灰岩)はこの一帯でアフリカ大地溝帯が形成され始めた3000万年ほど昔の新生代第三期半ばの斬新世に起こった一連の火山活動によって堆積しました。
宝石質のオパールは火山活動の連続の中で降り積もった堆積中の1m未満の薄い一層のみから発見されます。
青ナイル上流の峡谷の台地の頂から350mほど下がった地点に火山岩礫の空隙を埋めるセメントのような状態でオパールが発見されます。
採掘と生産量(Mining and production)
峡谷の底から数百m上部のオパールを産する1mの厚さの水平な層へは台地の上から30分ほどで辿り着けます。
掘っているのは200人ほどの村人ですが、政府から支給されたシャベル、ハンマー、たがねと木の枝など初歩的な道具です。
支柱を立てられないため、岩脈をせいぜい1m程奥に掘り進んで採掘をしていますが、2年余りの間に1500kg程のラフが採掘されました。すでに落石や転落等で20人余りの死者が出たほどの危険な場所での採掘です。
Wollo産オパールの特徴
前述のシェワ産や隣国のソマリア産の主に橙ー赤ー茶色のボディ・カラーを持つオパールと異なり、遊色を見せる火山性のオパールとしては異例の白味を帯びたボディー・カラーで、オーストラリアやブラジルのピアウイ産オパールに似ています。
が、メキシコ産のファイアー・オパールを思わせる種類も稀に採れます。
水に浸すと透明になるハイドロフェーン・オパールも少なからず採掘され、他の産地のそれとは異なり、ひび割れに強く安定しているのが特徴。
Wolloオパールは典型的な方珪石(クリストバル石)と鱗珪石(tridymite)型の構造を持つ Opal-CTに分類されますが、これは他の火山性オパールと共通の特徴です。
また前述のシェワ産とも共通の、垂直に並行して発達した柱状のディジタル・パターンと呼ばれる遊色の出方を示すことも顕著な特徴として挙げられます。
写真と地質図にあるように、オパールを産するのは巨大な岩塊の中の一層のみからですが、豊穣な鉱脈があるようで、多彩な種類の美しいオパールが安定して市場に姿を見せています。
ただし1.4カラットのブラック・オパールとして売られていたものは、実は砂糖液に浸してから稀硫酸で炭化処理を施したものです。
スーダン ?? のオパール(Sudan ?? opal)
3.47ct
11.9x10.6x7.7mm R.I. 1.488 S.G. 1.888 |
1.59ct 10.95x8.99x4.94mm R.I. 1.485 S.G. 1.837 |
3.47ct→3.63ct | 1.59ct→1.64ct |
スーダン産と称するオパールを二点入手しました。スーダンで宝石質のオパールが採れるという公式の情報はありませんが、隣のエチオピアと地続きでおなじ地質ですから発見されても不思議ではありません。
前述のエチオピアのウェロ産と同じハイドロフェーン・オパールです。鮮やかに遊色が浮かぶ半透明なボディーはクリスタル・オパールのようにファセット・カットされています。
1時間以上水に浸すと完全に透明になって、遊色が消えてしまいます。水から出して1時間も経つと再び不透明になって遊色が復活します。さらに重さが増え、屈折率も少し高くなります。
タンザニアのオパール(Tanzanian Opal)
タンザニアのオパール産地
(Tanzanian Opal localities)プレーズ・オパールの産状
(Chrysoprase/prase opal vein)プレーズ・オパール
(Prase opal)クリソプレーズ
(Chrysoprase)
プレーズ・オパール(Prase opal) | クリソプレーズ(Chrysoprase) | コモン・オパール(common opal) | キャッツ・アイ・オパール (Cat's -eye-opal) |
||
10.22ct | 5.15ct | 3.72 - 18.42ct | 13.80ct 20.7x15.2x8.1mm | 4.04 - 6.71ct |
タンザニアのオパールは不透明で、遊色を示さない、いわゆるコモン・オパール(蛋白石)です。
コモン・オパールは一般には宝石にはなりませんが、タンザニア産の場合は、一つはニッケル発色による鮮やかな緑色のプレーズ・オパールと呼ばれるもの、もう一つはキャッツ・アイ、といずれも他には無い特徴があります。
プレーズ・オパール
プレーズ・オパールはタンザニア東部の町ドドマの北90kmほどにあるIyobo 山一帯の3ヶ所の鉱山で同じくニッケル発色による鮮やかなアップル・グリーンのクリソプレーズと共に採掘されています。クリソプレーズとプレーズ・オパールは三つの丘の風化して珪岩と褐鉄鉱との交代作用を受けた蛇紋岩の層中に幅が数cm、長さが数mに達する不連続の脈として発見されます。年間クリソプレーズが7〜10トン採掘され、20〜30%が宝飾品に加工されますが、色が濃く半透明の宝石質のカボションになるのは3〜5%に過ぎません。
この一帯は10億年以上昔の非常に古い始生代の変成作用を受けた超塩基性岩からなっています。
プレーズ・オパールの採掘量は最大で1.5トンの母岩付マトリクスが採掘されています。
ところでクリソプレーズとはアップル・グリーン色の玉髄(潜晶質の石英 :カルセドニー)であり、プレーズ・オパールとはクリソプレーズの色合いの蛋白石(非晶質の石英 :オパール)です。
いずれも不純物のニッケルにより上質の翡翠のような鮮やかな緑色をしています。
本来、同じ成分から成る玉髄と蛋白石とが一緒の産状を示すのは珍しいことではなく、瑪瑙の中にはこの二つが層を成して縞状や同心円状に見えるものがあります。
正式な報告はありませんが、恐らくオーストラリアやチェコ、ポーランド等、代表的なクリソプレーズの産地の物にもプレーズ・オパールが含まれているのではないかと思われます。
この二つの宝石は余りにも似ているので外観からでは区別が困難です。しかし潜晶質と微晶質とでは緻密さが異なりますから、屈折率と比重の測定により、下記のように異なった値にて識別は可能です。
屈折率(R.I.) | 比重(S.G.) | ||
クリソプレーズ | (Chrysoprase) | 1.549 | 2.57-63 |
プレーズ・オパール | (Prase opal) | 1.455 | 2.09-13 |
キャッツ・アイ・オパール
キャッツ・アイ・オパールは1990年代半ばに市場に姿を見せました。
ブルンジとの国境に近いKasuluで2トンほど採集された団塊から1%、3万カラットほどのキャッツアイ・オパールがカットされました。
鮮明なキャッツ・アイは繊維状のルチル・インクルージョンによるものです。
この産地のオパールは短期間の採掘で枯渇したため、その後の供給は途絶えています。
13.8カラットの亜透明、淡黄色の石はアフリカ産としか分かりませんが、恐らく、同じ産地のキャッツ・アイは示さないものの、やや透明度が高いためにファセット・カットされたオパールと考えられます。
マダガスカルのファイアー・オパール(Fire opal from Madagascar)
マダガスカル南部のオパール産地 オパール鉱山(Opal Mine) 0.70 - 16.94ct Bemia, Southern Madagascar
マダガスカルでは過去に首都アンタナナリヴォ近郊のFaratsiho(1992 Lacroix)の他何ヶ所からオパールが報告されていますが、実際に市場でマダガスカル産のオパールを見かけることは皆無でした。
2008年頃に島の最南東部のBemiaで宝石質のファイアー・オパールが発見され,200−400kgのラフが採掘されたとのレポートがありました。
オパールは1億年ほど昔、中生代白亜紀の火山性の石英安山岩ー流紋岩中に数cm程の直径の団塊や20−30cmの長さの岩脈として発見されます。
透明なものは少なく多くは半透明ー不透明で、無色、白、赤ー橙ー黄色 と多彩な色合いがありますがいずれも遊色を示しません。
比重は2.0−2.38、屈折率は1.414−462と いずれの値もオパールとしては高い数値を示します。これは火山性のオパールの特徴として方珪石(クリストバル石)や鱗珪石(Tridymite)を含むためであり、透明度の低いベニア産のオパールはかなりの部分が方珪石化しているためです。
アフリカ産 ?? のピンク・オパール(African ?? Pink opal )
9.28ct 16.1x12.1x8.6mm 1.25 - 8.48ct 14.32ct 17.6x12.9x8.1mm ピンク・オパール アフリカ産 ?
African Pink Opal ??ピンク・オパール ペルー
Pink Opal Peru着色された雪花石膏
(Dyed pink alabaster)屈折率 (R.I.) 1.518 1.523-540 1.52 比重 (S.G.) 2.124 2.122-172 2.31
アフリカ産と称するピンク・オパールを見かけたので入手して調べて見ました。
ピンク・オパールはこれまでペルー産しか報告がなく、アフリカで発見されたという正式な情報はありません。
見た目や触感は、手元のペルー産にそっくりです。
2009年にインドのジャイプールのGIA研究所にピンクに着色された雪花石膏が鑑別のために持ち込まれたという記事が Gems & Gemology Winter 2009 にあり、その可能性もあるかと調べてみました。
雪花石膏のような半透明ー亜透明な材質を染色するとまだらに染まるので、透かして見ると分かりますがアフリカ産とのピンク・オパールは均質な色合いです。
すべすべとした触感や色合い、屈折率、比重もペルー産とほぼ同一です。
仮にアフリカの何処かでピンクのオパールが採れたとしても、これほどまでにペルー産と似通った特徴を示すことはまずあり得ません。 恐らくペルー産のピンク・オパールがアフリカ経由で日本に入ってきたのか、或いは輸入先のタイの宝石業者からの誤った情報ではないかと考えられます。