灰重石(Scheelite)
Scheelite 0.40 - 3.13ct |
2.76ct Ø7.5mm | 1.42ct 6.9x5mm | 2.94ct 9.1x6mm |
Sta. Cruz, Sonora | Mariposa | |
Mexico |
0.40ct(4.9x3.0mm) - 1.21ct(7.1x4.6mm) | 2.74ct 7.8x6.2mm | 3.13ct 7.9x5.8mm | |
Kern County, California, U.S.A. | Birma | China |
化学組成 (Formula) |
結晶系 (Chrystal System) |
モース硬度 (Hardness) |
比重 (Density) |
屈折率 (Refractive Index) |
CaWO4 | 正方晶系 (Tetragonal) |
4½−5 | 5.9−6.1 | 1.92−94 |
宝石質の緑柱石(ゴッシェナイト)を伴う灰重石 5.5x5.5x4cm Xiebaoding鉱山 四川省 |
方解石を伴う灰重石 4.5x4x3.2cm Ping Wu 四川省 |
Photo Courtesy : John Veevaert Trinityminerals |
方解石上の灰重石結晶 2.6x1.9x1.2cmと拡大写真 9mm Baia Sprie Roomania Photo Courtesy: John Veevaert Trinityminerals |
4.3x3.8x3cm Darwin, Inyo Co. California |
5p Sonora, Mexico Romero Collection |
シェーライトの名は18世紀、スウェーデンの化学者、K.W.Scheel に因み、1821年に命名されました。
灰重石の日本名はその色合いと、重金属、タングステンを主成分とするためずっしりと重いことから命名されたものでしょう。
酸化タングステン80.5%と酸化カルシウム19.5%からなる灰重石は、タングステンの主要な鉱石で、熱水鉱床、接触変成鉱床、ペグマタイト脈の最終段階の気成鉱床等に生成し、世界各地に広汎に産出します。
中国四川省の宝石質の緑柱石を伴う結晶は、ペグマタイト性の典型的な例です。
四川省の他に、広東省、広西省、湖南省にはタングステン鉱山が目白押しに存在し,タングステン生産では中国が世界の80%を占めています。
灰重石結晶の標本も従って、中国産の美しいものを鉱物フェアで良く見かけます。
一般的には超硬工具等に使われる重金属の主要鉱石であるタングステン産カルシウムが宝石になるとは思いもかけないことです。
が、着色成分を含まない純粋な無色の結晶や,恐らくチタンと鉄を微量含む金色の透明な結晶はコレクター向きにカットされます。
比重が高く、従って屈折率が高いため強い煌きを示しますが、モース硬度が低く傷つき易いため,宝飾品としての実用には向きません。
宝石質の結晶は上記の中国の四川省と,ビルマの恐らくペグマタイト性の鉱床から金色の結晶が、アメリカのカリフォルニアとメキシコのバハ・カリフォルニア、さらにルーマニアからは無色透明のものを産します。
ルースの値段は2〜3カラットの小さなものはカラット当り20〜30ドルと手頃な水準です。が中国産の30カラットを超えるような大きな金色のルースは70ドルにもなります。