ベニオキナエビス
(Slit Shells : Perotrochus hirasei)

高さ 74mm 殻底径 73mm
腹足綱 前鰓亜綱 古腹足目 オキナエビス超科 オキナエビスガイ科 オキナエビス種
 Gastropoda   Prosobranchia   Vegitastropoda   Pleurotomorioidea   Pleurotomomariidae   Perotrochus hirasei
  ベニオキナエビスは古生代から中生代に繁栄し、現代も世界各地の暖かい海に3属27種が生息している、いわば、生きている化石と呼ばれる貝です。
 生息地は日本の中部以南からオーストラリアへの太平洋、さらに大西洋、カリブ海の深さ50〜3000mの岩礁底に生息し、海綿やウミユリ、サンゴを餌としています。
 殻底に近い切れ目は割れているのではなく、呼吸や排泄のための隙間です。
古代の貝の特徴とのことで、アワビの殻の孔列と同じ機能を持っています。
 英語名ではこの切れ目のためにオキナエビスガイの仲間はスリット・シェル (slit shells)と呼ばれます。
 美しい色合いと希少性からコレクターの人気を呼び、1960年代には1万ドル(360万円)もの高値で取引されていると話題になりました。
 そんなわけで、この貝の名前を覚えていて永年折りある度に探していましたが、今年、香港から東南アジアを巡る2週間の航海の旅の途上でようやく巡り逢いました。
 中国海南島の三亜の港町の真珠等のお土産店が並ぶ商店街やスーパーマーケット等に何と10個以上もあったのです。
 値段も1個700円と格安でした。半世紀昔の360万円との余りもの格差に戻ってよくよく調べたところ、どうやら高値を呼んだのは近種の20cmにもなるさらに希少性の高い大型のリュウグウオキナエビス(Entemnotrochus runphii)だったようです。
 この貝には細く深いスリットがあります。
 左の写真は近種のアダンソンオキナエビスがフロリダの海底200m付近で生息している様子です。
アダンソンオキナエビス
(Entemnotrochus adansonianus)

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