アンモナイト(Ammonite)


 
35x28x11mm
 
アンモナイト化石 25-35㎜ 33x25x9mm 虹色の光沢をもつアンモナイト化石 
 Madagascar
Mollusca  Cephalopoda  Ammoloidea
軟体動物門 頭足綱  アンモナイト亜種 

 アンモナイトは古生代シルル紀(4.2億年前)から中生代白亜紀(6,550万年前)に絶滅するまで3億5000万年もの間世界中の海で繁殖した生物です。
 白亜紀の絶滅は、恐竜と同様に、メキシコ・ユカタン半島沖に落下した巨大な隕石が原因と考えられます。
 その化石は世界中で発見され、200科、1500属、1万種以上に及ぶ、軟体動物門、頭足綱の、多くは平らな巻貝のような殻を持つ動物でした。
 おそらく古生代オルドヴィス紀(4.3~5億年前)に現れたオウムガイから分化したと考えられますが、より古い時代に出現したオウムガイが現在まで生き残っているのに、アンモナイトが何故、先に絶滅したのかは不明です。
 恐らく、オウムガイが水深 100~600m と深い海に生息していたのに対して、アンモナイト種は、後述のカナダで宝石として発見される大型種同様に、水深30m程度の浅い海に生息していたため、環境の激変の影響を受けたのが、絶滅の一因だった可能性があります。
 
アンモナイト化石の切断面 生存時の想像図 様々なアンモナイトの形 最大2mに達したアンモナイト化石

アンモライト(Ammolite)
   
 左地図1セント・メリー川河岸の産地 アンモナイト原石(3x4cm) 宝飾品 ルース 1.5x2cm
 
モンタナ州と接するカナダ・アルバータ州の宝石質アンモナイト産地 頁岩層から採掘される巨大なアンモナイト化石 7000万年前の Placenticeas Intercalare 47cm 
Bearpaw formation, Lethbridge, Alberta, Canada
  アンモライトとは虹色の光沢をもつ宝石質のアンモナイトの化石の商業的な呼称です。
 世界で発見されるアンモナイトの化石には、虹のような色合いを示すものがあります。
 これは殻を形成する霰石(Aragonite : 炭酸カルシウム : CaCO3)の結晶が光の波長サイズの薄片の集積で出来ているために、その層が規則正しく並んでいると、虹やシャボン玉と同じく、光の干渉により虹のような色彩を放ちます。
 ただし、宝石質のアンモナイトを産するのは、世界で唯一、カナダ・アルバータ州南部のBearpaw Formation と呼ばれる、氷河の堆積物で覆われた頁岩層の中から発見されます。
 発見されるアンモナイトは主に Placenticeras Meeki と P. Intercalare と呼ばれるいずれも7000~7500万年前に水深30m程度の浅い海に生息していた、最大で70cmに達する大型の種類です。
 この虹色の殻の層は、しかし脆く柔らかな霰石で出来ているため、そのままでは忽ちのうちにぼろぼろと剥離してしまいます。
 したがって、黒いカーボランダム基盤の上にアンモナイトの薄片を貼り付け、エポキシ樹脂で覆い、さらに透明なガラスなどでカバーをするといった四重の加工が施されて、ようやく耐久性のある宝飾品として実用になります。
 普通の宝石であれば、これほど手をかけると、殆ど紛い品として価値は激減しますが、他に方法がないアンモライトの場合は稀少性故に、宝石として認められています。


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