ピンク・ダブル・ノックアウト
( Rosa Pink Double Knockout )


2004年フランス・メイアン社作のフロリバンダ・ローズ

     
       
     
       
 薔薇を栽培していると最も悩まされるのが病気と害虫です。
とりわけ、うどん粉病と黒星病とは、発生してしまってからでは手遅れになってしまいその年の薔薇はおしまいということになりかねません。
 そういう薔薇愛好家の悩みに朗報をもたらしたのがノック・アウトという新しい薔薇の登場でした。
最初に登場したのは1989年、アメリカの アマチュアの薔薇愛好家、William Radler が Razzle Dazzler と Carefree Beauty
との交配により病害に強い抵抗力のある薔薇を作り出し、Knockout と命名して発表したことが世界的な話題を呼びました。
 ただ、最初のノックアウトは、色合いがやや粉っぽいピンクで、薔薇としての魅力はいまいちだったのですが、その後世界の薔薇育成形が競って、病害虫に強く、色合いも美しい薔薇の育成に力を入れて、新しいバラを次々と発表しました。
 ピンク・ダブル・ノックアウトはフランスのメイアン社が2009年に発表した濃いピンクの色合いの薔薇です。
これは、メイアン社が2000年に発表したノックアウト(恐らくはアメリカの Radler から商標権を譲り受けて改良したものと思われます) の次世代種である、殆んど赤に近い濃いピンクのダブルノックアウトから派生したピンクの種類ですが、何とも風情のあるピンクの種類です。
 植えてから3年目になり、80cm程の大株になりましたが、うどん粉病や黒星病には全くかからないうえに、最大花径が8㎝ と中輪ですが、姿の良い花を無数につけ、北海道の雪の降る11月以降も、雪の中でも咲き続けるという強健ぶりです。
 そのうえ嬉しいことには、葉も最後までつやつやと保たれています。
 四季咲き薔薇の多くが、夏を過ぎると樹勢が弱り、花は咲くものの、すっかり落葉して茎に花のみになってしまう種類が多い中で、ピンク・ダブル・ノックアウトの強健ぶりは嬉しい驚きでした。
 

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