ザ・メイフラワー(The Mayflower)
2001年 英国のデイヴィッド・オースティン作出の四季咲きオールド・ローズ
6cm程度と小さいながらオールド・ローズ の特徴を備えた華麗なカップ咲きの花 |
樹高60cmと小ぶりだが、花が多く 四季咲きで次々と花が咲く |
雛菊と野生の勿忘草埋もれそうに咲く花 圧倒的な甘い芳香を放つ |
薔薇を植えていると、殆どの人から薔薇は大変でしょうと言う反応が返ってきます。
どういうわけか薔薇と言えばもう素人には手に負えない植物と決め付けられているようです。
恐らく、かつて薔薇の苗は輸入するしかなく、となれば一握りの富裕階級だけが育てることの出来るまさに高嶺の花でした。
そうして手に入れた苗は箱入り娘のように大事に育てなければならないし、うまく育てばコンクールなどに出品し、それまでの苦労をことさら大げさに吹聴すると言った傾向が一般に広まり、未だにその呪縛に縛られているのかもしれません。
確かに病気や害虫等には注意を払わなければなりませんが、それは他の植物でも同じことです。
とりわけ薔薇が気難しく軟弱な植物と言うわけではありません。
むしろ、薔薇は最初に植える時に土壌と排水と日当たりにある程度の注意さえ払えば、その後は半ば放置してもそれなりに花を咲かせてくれる丈夫で強健な植物です。
私の経験では、薔薇に比べると、芝生の方こそ、施肥,目土撒き、雑草除去、根切り、水遣り、芝刈り等々恐ろしく手間がかかり、それでいて花が咲くわけでもなく、究極の雑草以外の何ものでもないと確信しています。
さて、一般に強健とは言え薔薇栽培にはアブラムシ、ゾウムシ、カミキリムシ、カメムシ、コガネムシ等々の害虫、それに黒点病、ウドンコ病等々、難敵、強敵が襲い掛かるのも事実です。
他の花々でも同じことですが、華麗な薔薇の花であればこそ被害が歴然と目に見えるので一般に敬遠されのかもしれません。
ところが、近年、これら病害虫に強力な耐性を備えた超強健種の薔薇が登場して来ました。
その名も ”ノックアウト ”。
薔薇愛好家にとっては待望の品種です。
ザ・メイフラワーもノックアウトの系統です。 確かに病害虫を寄せ付けません。
さすがにデイヴィッド・オースティンの送り出した品種とあれば花にも風情があります。
が、特筆すべきは素晴らしい芳香でしょう。 一本だけでも庭中が甘い香りに包まれます。
2001年に作出された新しい薔薇なのにオールド・ローズとされるのは、この花が17,8世紀の古種の薔薇の特徴を残した上で、近代種の薔薇の色合いや多花性等の長所を取り入れた薔薇であると言うことです。
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