ピエール・ドゥ・ロンサール
(Pierre de Ronsard)



1年物の苗2本が2年目には3mを越す背丈に成長し数え切れないほどの花をつけました


固い蕾はなかなか開きません 
赤いシュート(新芽)は一月後には2m余の高さに成長
蕾から10日ほどかけてようやく満開に


赤く色づいた蕾はしかしなかなか開きません。ゆったりと開き始めた花の色と姿は比類の無い可憐さを見せてくれます。満開時には10cmの中輪のカップ咲きとなります

 ピエール・ドゥ・ロンサールは1988年フランスの薔薇栽培家メイアン (Meillan M.L.) が作出したモダン・ローズです。
 大型の Quater Rosette (小さな複数のロゼットが入る) 花が咲くつる薔薇の系統です。市場で最も人気のある薔薇の一つで、季節には街角のあちこちで頻繁に見かけます。
 薔薇好きには欠かせない種類です。我が家ではホームセンターで一本1000円で買った1年ものの苗を2本植えたのが2年目には3mを越す程に成長し、無数の花を咲かせました。
 一季性ではありますが、北海道では秋にも少し花を楽しむことが出来ます。
 ここ仙台ではどうでしょうか ? 
一番花が終わって1週間も経たないうちに、早くもシュート(新芽)がさらに1m余り伸びてきて来年はサンデッキの上のラティスを越えて花が楽しめそうです。
 華麗にして強健、成長も早い、と申し分の無い薔薇ですが、香りが殆ど無いのが残念と言えば残念。

名前について


 16世紀後半のフランスの宮廷詩人ピエール・ドゥ・ロンサール (Pierre de Ronsard 1524 - 1585) に因む名前です。
 ロンサールは古代ギリシアとローマの文芸を規範に、それまでは俗語とみなされていたフランス語で格調高く優美な文学作品を創造し得ることを主張しました。
 ”カサンドルへのオード” はロンサールの代表的な作品の一つです。


Ode à Cassandre カサンドルへのオード

Mignonne, allons voir si la rose 愛しい人よ、見に行かふ
Qui ce matin avoit desclose けさ、朝の光に紅の衣を解いた
Sa robe de pourpre au soleil, あの薔薇が、その衣の襞も
A point perdu ceste vesprée, 君に似た色艶も、この夕べ
Et son teint au vostre pareil. 些かも色褪せてはいないか、を

Las! voyez comme en peu d'espace, ああ! たちまちのうちに
Mignonne, elle a dessus la place 愛しいひとよ、ごらん
Las! las ses beautez laissé cheoir! 薔薇の花は散ってしまった
Ô vrayment marastre Nature, ああ! 無情な自然よ
Puis qu'une telle fleur ne dure 麗しき薔薇の命の
Que du matin jusques au soir! 朝から夕べまでの儚さとは

Donc, si vous me croyez, mignonne, ならば、信じたまへ 愛しいひと
Tandis que vostre âge fleuronne その齢の花咲けるうちに
En sa plus verte nouvequté, その瑞々しさの盛りのうちに
Cueillez, cueillez vostre jeunesse: 摘めよ、摘み給いね、きみが命を
Comme à ceste fleur la vieillesse この薔薇のごと
Fera ternir vostre beauté. 時が若さを奪わぬうちに


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