スノーホワイト ・ 白雪姫
(Rosa Snow White ・ Schnee
Princess)
元種の Dick Coster |
スノーホワイト、即ち白雪姫と命名された白い薔薇は1946年、オランダの F.J.Grootendorst によって作出されたポリアンサ・ローズです。
ポリアンサ・ローズ (Pollyantha Rose) とは日本の野薔薇と中国原産の庚申薔薇 (Rosa Chinensis)との交配から生まれた、多花性四季咲きの木立性の修景薔薇です。
スノーホワイトは1935年に同じオランダの薔薇育成家の Dick A. Coster が作出したポリアンサ・ローズの Dick Coster の枝替わりから生まれた薔薇です。 Dick Coster が赤いのは、先祖の庚申薔薇が紅い薔薇であったからですが、それから白雪姫と命名された純白の薔薇が生まれたのは、もう一方の先祖の日本の薔薇の血を受け継いだためでしょう。
世界各地の多様な薔薇の交配から生まれた薔薇には、ある時、こうした先祖の形質が姿を現すことは良くあることです。
修景薔薇 (Landscape Rose) とはその名の通り、広い薔薇園のあちこちにこんもりと咲いて庭を引き立てる役割を果たす種類の薔薇です。
華やかな大輪の花を咲かせるハイブリッド・ティー種が薔薇園の主役ではありますが、残念ながらその盛りは1週間程度にすぎず、例え四季咲きであっても、何時でも花が見られるわけではありません。
一方、修景薔薇は、花径が大きくても5㎝程度とそれぞれの花は目立ちませんが、次から次へと数多く咲き、しかも四季咲きですから、長い期間薔薇園を華やかに飾ってくれる陰の主役と言って良いでしょう。
スノーホワイトは、修景薔薇としては、大きな花では花径が6~7㎝に達する純白の、多様な姿の花を多数、夏から秋にかけてほぼ絶えることなく、次々と咲かせてくれます。