シュウメイギク ( 秋明菊 )
Anemone hupehensis


     
庭の一角に50cm~1mの高さで華やいだ様子を演出する秋明菊の群落 


       
地下茎を伸ばして群落を作り繁殖する  秋の終わりにドライフラワーのような蕾が残る   


 双子葉植物綱  キンポウゲ目  キンポウゲ科   イチリンソウ属  シュウメイギク種 
 Magnoliopsida  Ranunclales   Ranunclaceae  Anemone   hupenensis var. japonica 

   秋明菊と名づけられていますが、菊ではなくアネモネの仲間です。
日本には古い時代に中国から入った帰化植物ですが、京都の貴船に野生化して繁殖し、それが各地に広がって固有種となり、学名にもジャポニカとされているほどです。
 したがって、日本各地で秋明菊、秋牡丹、しめ菊、紫衣菊、加賀菊、越前菊、貴船菊、唐菊、高麗菊、秋芍薬、等々実に様々な名前で呼ばれています。 因みに明時代の中国では秋牡丹と呼ばれていたとのこと。

イチリンソウ属、アネモネの学名はギリシア語で 風 を意味する "anemos" に由来します。 アネモネの綿毛が風で運ばれ繁殖することに因んだとのこと。 種名の "hupehensis" とは原産地でもある中国の湖北省産の意味です。

 一重の白花である台湾の原産種との交配種や、日本からヨーロッパに渡って品種改良後に再輸入され、さらに交配を経て様々な園芸種が作られています。
 
 菊ではありませんが、名前の通り、他の花々が盛りを過ぎた9月末頃から10月末まで、華やかに庭を彩ってくれます。
花が終わった後も、蕾が夕日に映えて何とも言えない風情ある情景を演出してくれます。

 前述のように、日本各地に広がり、土地ごとに多彩な名で呼ばれる秋明菊ですが、実は子供の頃栃木県の家の周囲で見た記憶がありません。
 20年ほど昔に北海道へ移住して、近所の庭に多数咲いているのを見て、何の花なのか全く見当が付かず、キク科のダリアの一種と思いました。
  アネモネの仲間なのに日本各地で菊の名で呼ばれているのも無理ではありません。

 さて、アネモネの仲間なので、刺激性のある乳液を分布してかぶれることがあります。 


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