北海道･札幌の北、石狩川河口と石狩湾に近い、森に囲まれた丘陵地帯に移り住んだのは2002年のことでした。
我が家の地続きの南側に両側を深さが凡そ30mの谷に挟まれたゆるやかに傾斜する200m程の長さの尾根が伸びていてその先の小川や湿地帯は春にはミズバショウ、ザゼンソウ、エゾノリュウキンカ、エゾエンゴサク、キクザキイチゲ等が咲き乱れるお花畑になります。
　その尾根の一部、森の中に500平米余りの土地が付録でついていました。
かつては開けていた土地と思われますが、20年あまりも放置されていたため背丈ほどある熊笹が足を踏み入れることさえ出来ないほど密生していました。
　その茂みの彼方に春になると濃いピンクの山桜が咲き、夏には大きな白い朴の木の花が咲くのが見えるのですが、近づいて見ることが出来ないほどでした。
　地上の茎を駆り払っても地下に網の目のように根を張り巡らしている熊笹はたちまちのうちに伸びてくるため、結局根こそぎ駆除するのに3年余りかかりました。
　併せて周囲の木々の枝を払い、ようやく開けた空間に陽光が差し込むようになると、小鳥や小動物が運んで来たり、或いは風で飛んでくるのか、様々な野草や木々が芽を出し定着して思いもかけない花園が出現しました。　

野生の花には、ある年、ひと時だけ出現して、突然姿を消してしまうこともよくあります。
　忘れないように、記録として残しておけるのがホームページの大切な役割です。

　これから紹介するのは、我が森と庭に出現したささやかな植物園の花々です。