西洋ノコギリソウ
(Aquilea millefolinum)


   
庭のあちこちに増えている西洋ノコギリソウ


   



  双子葉植物綱   キク亜綱   キク目   キク科  ノコギリソウ属    西洋ノコギリソウ種 
Msgnoliopsida  Asteridae   Asterales   Asteraceae  Achillea   millefolinum

   ヨーロッパ原産で空地や道端、野原に自生しています。 
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにも帰化していて、日本でも本州と北海道の一部で野生化しています。 
 繁殖力が強く、株分けで容易に増え、土質を選ばず根が伸びるため、庭一面に容易に拡がる。
その生命力の強さは堆肥用の生ごみに葉を一枚入れるだけで容易に生ごみを分解してゆく。

 と、如何にも厄介な雑草になりそうな感じですが、調べてゆくうちに実は驚異の有用な植物であることが判明します ;

ノコギリソウの名前は学名の”1000の葉” が表すようにのこぎりの刃のような微細な葉の様子に因む命名ですが、属名の ”Achillea : アキレス” とはギリシア神話の英雄、アキレウスに因み、アキレウスが常に傷を治すための薬草として携えていたことに由来します。
 その薬効たるや ; 葉の先端の花部を服用すれば強壮効果、食欲増進、発汗、解熱効果があり、葉の汁は煎剤やワインで煮出して傷口の消毒に、あるいは生の葉をそのまま傷口に当てて血止めと消毒に、あるいは粉末にして軟膏に、その葉を噛めば歯痛に効く。 リューマチの治療にも使われる !!!
 さらに若葉はそのままサラダに、湯がいてバター炒めにすると絶品、スウェーデンではホップ代わりにビールの醸造に用いる。
 その薬効は先史時代のネアンデルタール人も知っていて、墓地のある洞窟から大量の花粉が発見された、と。
さらにイギリスでは5世紀頃からサクソン人が薬草として栽培していた。
 19世紀には乾燥させた葉をたばこの代用品として使っていた、と万能の植物なのですね。

 いささか遅かったのですが、ホームページに取り上げたおかげで、西洋ノコギリソウの威力が分かった、と、庭に拡がっている西洋ノコギリソウを眺めては嬉しくなる。 今日は早速サラダで食べてみよう !!!


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