ミヤマヨメナ (ミヤコワスレ: 都忘れ)
( Aster savatieri )
双子葉植物綱 | キク亜綱 | キク目 | キク科 | キク亜科 | シオン属 | ミヤマヨメナ種 |
Magnoliopsida | Asteridae | Asterales | Asteraceae | Asteroideae | Aster | A.savatieri |
本州から九州に分布、キク科シオン属の多年草。 地下茎を伸ばして繁殖。
と、
この花について余り情報はありません。
ただし、寒冷な北海道でも半ば野生化して庭のあちこちで繁殖していますから、耐寒性は強いのでしょう。
地下茎で増えるとありますが、100も離れた場所にいつの間にか群落が増えているので、おそらく種でも増えるのでしょう。
ミヤマヨメナが正式な名前ですが、園芸種のミヤコワスレの方が一般的です。
今回調べるまで、ミヤマヨメナが正式な名であると、初めて知りました。
ミヤコワスレの名は、鎌倉時代、承久の乱(1221年)に敗れた順徳天皇が佐渡島に流され、この花を見て心を慰めて、都恋しさを忘れたとの伝承に拠ります。
属名の学名、Aster とはギリシア語の ” Aster : 星 ” から、 種名の ”savatier ” とはフランスの植物学者, Paul Amédée Ludovic Savatier ( ポール・アメデエ・リュドヴィク・サヴァチエ : 1830 - 1891)に因みます。
海軍医官として、慶応3年 (1866年) に日本に招聘されたサヴァチエは日本で西洋医学を教える一方、趣味の植物学の知識を活かして日本の植物の採集や研究」を進め、その名が前任者であったシーボルトやトゥンベルギーと共に学名に残されています。
木蓮 (マグノリア) の学名の全ての項目にその名を残す、フランスのピエール・マニョル( Pièrre Magnol) 等々の植物学者の多くが医者なのは、かつての医学にとって薬草の知識が欠かせないものであったからで、必然的に彼らが植物学の知識を身に着けたからです。
北海道の夏、6月中旬から7月中旬までの長い間、庭のあちこちで小さく地味ながら鮮烈な青い花を咲かせる”都忘れ”の花は季節の移り変わりを思い起こさせてくれる大切な花です。