羽衣草 ( Alchemilla vulgaris )
花の径は3mm程度 | 6月末の径50㎝程の群落。一か月ほど花が次々と咲いた後に葉が10㎝程になる | 庭のあちこちにこぼれ種が芽を出している |
被子植物門 | バラ亜綱 | バラ亜科 | ハゴロモグサ属 | ハゴロモグサ種 |
Angiospermae | Rosales | Rosaceae | Alchemilla | vulgaris |
氷河時代からの残存植物で、ヨーロッパ北部、グリーンランド、温帯北部から熱帯アフリカ、インド、スリランカ、インドネシアの高山帯に250種が分布する。
学名の Alchemilla とはアラビア語で Alkemelyeh : 葉に生えた光沢のある絹状の軟毛に由来するとのこと、種名の vulgaris は普通の、ありふれた、という意味です
この葉にたまる雫を集めて中世には錬金術師が賢者の石を作るのに用いられたとあります。
羽衣草の名は、丸みを帯びた葉が聖母のマントの形を連想させることから、中世の頃から Lady's Mantle と呼ばれていた英名を牧野富太郎が和名としたものです。
この花の正式な分類は、なかなか難しく、一般に園芸種は Alchemilla morris と呼ばれているようです。
この花の日本種である和羽衣草 ( Alchemilla vulgaris ssp japonica ) は、北海道の夕張岳と本州の南北アルプスの高原帯に見られ、ヨーロッパ種に近い。
日本の原産種は絶滅危惧種に挙げられているとのことですが、我が庭に数年前から何時の間にか生えてきている種は旺盛な繁殖力があり、庭のあちこちにこぼれ種が芽を出してどんどん殖えています。
全草にタンニンを含み優れた収斂作用により止血や消毒作用があり、下痢や胃腸炎に効果があるとされている。
ただし、園芸種として日本で広く普及しているアルケミラ・モリス種には薬効が無いのだそうです。