豊穣の森
ウスベニタチアオイ (薄紅立葵)
(Althaea officinalis)
被子植物 | 真正双子葉類 | バラ類 | アオイ目 | アオイ科 | ビロードアオイ属 | ウスベニアオイ種 |
Angiosperms | Eudicots | Rosids | Malvales | Malvaceae | Althaea | officinalis |
名前について
この花も、良く行く北海道、岩見沢市のバラ園か札幌市北区の百合が原公園に咲いていた花の終わりの種をいただいて庭に蒔いたもの。
数年前から7月中旬から8月初旬に数株が1mの高さに伸びてきて3cm程の薄紅色の花を咲かせます。
見るからにアオイ科の花ですが、名前が分からずにいたものがグーグルの画像検索でたちどころに名前が判明しました。
ヨーロッパ、西アジアから北アフリカにかけてが原産のアオイ科の花です。
学名のアルテア (Althaea) とはギリシア語の ” althaino : 治療 ” の意味です。
同じく 種名の学名 ” officinalis : オフィキナーリス ” とはラテン語で ”薬用の” という意味で
多くの薬用植物の種名に使われています。
ついでに、こんにちよく使われる ”オフィス” の語源もラテン語の ”officina : 仕事場” で、この言葉は中世には ”診察室” としても使われるようになったとのことです。
これの学名は、根に含まれる多糖類のフラボノールが粘膜や髪、肌を保護し、喉の痛み、気管支炎、消化管や泌尿器等の炎症に用いられることから名づけられました。
この花の英名は ”Marsh mallow”、即ち、お菓子のマシュマロです ;
Althaea officinalis | 薬 やマシュマロの原料に使われる根 | ハーブとして売られているマシュマロの根 |
古代エジプトの時代から、根のエキスに蜂蜜を加えて喉の薬として使われていたとのこと。
この薬の効用は古くから知られていました。
19世紀にフランスの菓子職人がこののど飴に砂糖を加えて、ウスベニタチアオイのフランス名、”Guimauve (ギモーヴ)”をそのまま菓子名として完成させた。
19世紀後半には、この花の根ではなく、代わりにゼラチンと卵白で泡立てる製法が定着し、こんにちに至っている。
薬効のある根を使っていなくとも材料に粘着性のあるゼラチンを使っているため、マシュマロは喉の痛みには効果があるのだそうです。