オダマキ(苧環)
(Aquilegia)
夕張岳の野生のミヤマオダマキ | |||||||||||||||||
双子葉植物綱 | モクレン亜綱 | キンポウゲ目 | キンポウゲ科 | オダマキ属 |
Magnoliopsida | Magnoliidae | Ranunculales | Ranunclaceae | Aquileguia |
オダマキ (苧環) という漢字は本来、織物に使う糸を巻いて中空にした環状の糸玉の名称。
糸を解き易いように中空になっている形にオダマキの花弁の形が似ていることから命名されました。
オダマキ属の学名、Aquileguia の由来はどこを探しても見つからないのですが、恐らくラテン語の”鷲”に由来し、オダマキの花の後方に伸びる距(きょ)の形が鷲の尖った嘴、あるいは鋭い足の爪を連想させることに由来するのではないかと、これは個人的な感想です。
オダマキは日本にはヤマオダマキとミヤマオダマキの2種が自生し、世界ではアジアとヨーロッパに70種が自生します。
2000種を超えるキンポウゲ科の花の中でも際立って華麗な色合いと姿を見せる花で、これが野生の花とは到底思えませんが、市場で見かける種や苗の全ては日本産、西洋オダマキとを問わず、全て野生種と園芸種との交配から生まれたものです。 写真にあるように、野生のミヤマオダマキは街中で見かける園芸種と見分けがつきません。
学名で種名が表記してないのは、野生種と園芸種との混交が激しく、正確な種名を特定するのが困難なためでしょう。
冒頭の写真は仙台の庭や北海道の庭と森の至るところに増えている様々な姿や色合いのオダマキです。
冷涼な気候を好み、自然にこぼれた種で雑草のようにどんどん増えるのですが、華麗な姿のため、なかなか一網打尽に刈り払うことができません。
それでも森の中で余りにも増えすぎたものは通り道を確保するために刈り払っていますが、毎年たちどころに生えてくるのでまさに鼬ごっこです。
オダマキは2年生なので種をまいても芽を出すのは翌々年の春になります。 仙台では5月初旬から、北海道の札幌近郊では6月から7月にかけて花盛りとなります。
キンポウゲ科の花に多いのですが、オダマキも全草が有毒なアルカロイドのプロトアネモニンを含み、皮膚に水泡や、食べれば胃腸炎、さらには心臓麻痺に至るとありますが、しかし北海道に来て以来、20年余りオダマキにはさんざん触っていますが、皮膚炎など一度も起きたことはありません。